2010/1/21 18:45:14 [47]
2010/1/21 18:44:29 [896]2声[続] ぼくは、目を覚ました。 涙で藁は、湿っていた。 ぼくは、思い出した。 ぼくは、約束を守った。 ぼくは、坊やで獣で人間でおかあさんの子供で、約束をした【ぼく】という生き物だった。 ぼくは、ちっちゃい家から出た。 出たら、ぼくとおんなじ人間がいた。 よぼよぼのお爺さんだ。 「お前さん、旅人かな」 お爺さんは言った。 「そうです。でも、旅は終わりました。」 ぼくは、答えた。 さて、これからどうしよう。 「畑仕事は嫌いか」 「畑仕事は何ですか」 「田畑を耕して、命を育て、自らの命をも育てることじゃ」 ぼくは、それを聞いて、 「ぼくは、死んじゃった命も育てることは出来ますか」 と問うた。 「お前さん次第でな、作物は、生きるんじゃ精一杯な。そして、わしらが命を頂く。お前さんが、死んじゃった命の分まで耕して生きることじゃ。精一杯な」 お爺さんは、答えた。 ぼくは、お爺さんと一緒に、畑仕事をすることにした。 ぼくは、ぼくを知った。 だから、かわりに、ぼくがまだ知らないことをお爺さんに教えてもらうことにした。 ぼくは、ぼくの答えを聞いてぼくは納得して、ぼくは成長する。 ぼくは、あの嫌な夢を二度と見たくないと思った。 ぼくは、あの命のかわりにぼくは、生きることにした。 ぼくが、出来ることは、生きること。 それも精一杯に。 それは、おかあさんとの約束だから。 ◇◇◇ ほらほら、零さないの。 あんたは、いつもこぼしちゃって、 ふふふまったく私の坊やはーーーーーー ーーーーーーーーーーー ……………end…………………
2010/1/21 18:39:1 [831]2声[続] ぼくは、涙を拭いて、走った。 何も考えないで走った。 走った。走った。 風が耳にビュービュー吹いた。 うるさくって耳をふさいだ。 止まった時、ちっちゃい家があった。 懐かしい感じがした。 ぼくは、ちっちゃい家の中の藁の中で眠った。 あったかかった。 . 夢は、流れるようにやって来た。 するりと、入ってきた。 ぼくの許しもなしに。 ーその夢は、ごちゃごちゃだった。 なんだこれって思う感じに。 火が燃えていた。 一つの家に。ぼくの家だ。 ふと、そう思った。 誰かの悲鳴がした。 周りもぼくの家とおんなじように燃えていた。 嫌な音がする。 嫌な匂いがする 嫌な色がする。 おっきい車があった。 前に筒があってそこから、びゅんびゅん何か飛び出した。 ……センソウ…… 誰かが呟く。 ぼくだった。 ぼくは、ボロボロの服を着て、ボロボロのズボンをはいて、頭がボサボサだった。 今のぼくもそうなのかもしれない。 ぼくは、ヨロヨロ歩いて、おかあさんに言われた通りに、桟橋を渡った。 振り返ると、おかあさんが家に捕まっていた。 ぼくを見ると、とってもとってもとっても優しく笑った。 ぼくは、おかあさんのもとへ、行きたかった。 でも、おかあさんと、約束していた。
………イキナサイ………
と。ー
2010/1/21 18:33:48 [779]3[声] ぼくは、ずっと歩いていた。 木の実をズボンのポケットにいっぱい詰めて、ぼくは、森を抜け出した。 森の前は、草原だった。 草原の中にある道を縫うように歩いて、疲れたら寝た。 ぼくは、たまにあの夢を見る。 坊や、このお水はね、海から塩を抜いてこうやって私たち、人間の中に入るの 美味しいでしょう。 ほらほら、零さないようにね その声は、いつも優しく、笑っていた。 夢から覚めてぼくは、考える。 ぼくは、人間らしい。 ニンジンと同じだろうか。 ニンジンは、夢で見たことがある。 オレンジで甘いんだ。 ぼくは、坊やで、獣で、人間なんだ。 ぼくは、満足して歩きだした。 だんだん、夢を見ていくうちに、声の主が分かってきた。 ぼくを産んだ、獣で、人間ってこと。 ぼくは、その声の主を、おかあさんって呼んでた。 だんだんぼくが夢で言っていたことが聞こえるようになった。 ぼくは、おかあさんがスキなんだ。 スキは、あったかくて、嬉しいことだ。 ぼくは、おかあさんが、あったかくて、嬉しかったんだ。 だのに、優しくて、あったかくて、嬉しいのに、悲しくなった。寂しくなったんだ。 胸の中が、悲しくて、寂しくなったんだ。 ぼくの中に、違うぼくがいて、あっちこっち、現れて消えていくんだ。 ぼくは、寂しいと悲しいと思ったら、涙が出るんだ。 どうしてかな
2010/1/21 17:30:8 [728]2[夢] ぼくは、木からなる木の実を食べてお腹いっぱいになった。 でもちょっと変な形をした変なものを食べたら、お腹が痛くなった。 ぼくは、痛くて、涙が出て、涙がしょっぱくて、お腹が痛くて、吃驚して、虚の中に戻ってそのまま寝ちゃったんだ。 . そしたら、また夢を見たんだ。 あの優しい声がまた聞こえたんだ。 . 坊や、私の坊や、ああ…… ほら坊や、逃げるんだよ。 ほらあの橋を渡って、ああ坊や . 煙の匂いがする。 臭い匂い 嫌な匂い . ぼくは、声から離れたくなかったけど、あまりの光景に目を閉じたんだ。 嫌な色がする 悲しい光景がある ヤだよヤだよヤだよ なんでなんでなんで 怖い。 嫌な音がする。 全部が壊れる。 . . ぼくは、頭が痛くなって目を覚ました。 外は夜だった。 とても長く寝てたみたい 外はひんやりと冷たかった。 獣の吼え声がする。 星が瞬く。 . ぼくは誰だろう。 ぼくは獣なのだろうか ぼくは坊やと呼ばれていた。 ぼくは坊やでぼくは獣。 . 星が流れる。 星は、ぼくが誰か知っているのだろうか 森は、ぼくが何者で、ぼくに聞こえる声が誰か知っているのだろうか。 虫が、草から出てきて飛ぶ。 カサカサ音を鳴らして去っていく。 虫は、何者か知っているのだろうか . なら、ぼくが誰だろうかぼくは、知っていたんだろう。ぼくは、誰か、いつか知ることになるのだろう。 なにせ、ぼくはぼくで、ぼくは、ぼくだからだ。 ぼくは、生きてるからぼくは、ぼくを知らなくちゃいけない。 ぼくは、立ち上がった。 ぼくは、歩き始めた。 [2end]
2010/1/21 17:19:29 [252][1続] ぼくは誰だろう。 ぼくは何だろう。 ここは何処だろう。 森の中だ。 木がいっぱいだ。 深い深い森の中だ。 怖くなった。 森は唸っていた。 轟々と唸っていた。 周りが一瞬見えなくなった。 深い緑が周りを巡る。 どうしよう ぼくは、走った。 獣みたいだ。 ぼくは獣なのだろうか 走って走って走って走って、ぼくは疲れて虚の中にいた。 頭が真っ白だ。 虚の中はあったかく、湿った枯れ草の中、ぼくは、眠った。 眠りながら、声がした。 ほらほら 坊や、お腹が空いたろう。 ぼくは、優しいその声に、安心してご飯を食べてる。 この声がくれるご飯は、とてもおいしかった。 ぼくは、坊やと呼ばれているらしい。 ぼくは、まぶしい光りで目を覚ました。 虚から出ると、夜みた森とは違ってとても優しかった。 まるで、夢に出てきた声みたいに。 [1end]
2010/1/21 17:14:32 [489]1[ぼく] ここは何処だろう ぼくは誰だろう。 小さな街 綺麗な街だ。 ここは何処だろう。 見て回るけど、何一つわからない。 とても明るいということは分かる。 街から出てみる。 出たら、真っ暗だ。 ただ一つ、空から小さな欠片が光っている。 ここは海の中みたい 風に揺られる草原は、波のよう。 魚は何処だろう。 ゆったりと、砂利道を歩く 魚はぼくだ。 ぼくは魚なんだ。 風を泳ぐ魚。 楽しくなった。 あははははっ 大声で笑いたくなる。 まわりが暖かく感じた。 夜の花を見つけた。 わぁ すごいいい香り ん?もしかしたらぼくは、蝶なのかな だって、海に花はないもの そうか、ぼくは蝶なんだ。 綺麗だな なんていうお花かな くるくるまわってみた。 ジャンプしてみる。 あれ? ふと気付くと、森の中だった。 あれ?花がない でも生きてる ぼくは蝶じゃないのかな
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