2011/7/23 14:52:4 [774]私は待っていた。 貴方の帰りを。 なのに、貴方はいつまでたっても帰ってこなかった。 私は、貴方に捨てられたのだろうか? そうだとしたら、私はどうすればいいのだろう? ここでずっと一人でいるか、どこか遠くへ行って新しい生活を始めるか、死ぬか。 その三つしか、私には道がないの? なら、私は死ぬ。 こんな世の中、生きていたってましなことは無いのよ。 みんな、私を捨ててどこかへ行ってしまうのだから。 一人になったって、どうせのたれ死ぬんだから、いっそ自害したほうがいい。 きっと、そうだ。 このまま待っていたって、どうせ…。 あの人も、戻ってこないのだから。 さようならを告げよう。 さようなら、さようなら、さようなら―――――
2011/7/15 20:14:57 [671]「いやあああ!!!ネズミ!ネズミよ!!!」 「猫がネズミを恐れるのは何か違う気がするな」 「いつから猫はネズミを倒すみたいなことになってるのよ!!!」 美夜は青鷹に抱っこされながら廊下を歩く。 「動いてるのよ!動いてるのが嫌なのよ!もうっ!!!」 猫は動いてるのが好きなのではないのだろうか。 「うごめく尻尾もいやだわ!」 猫はあの尻尾が好きなのではないのだろうか。 「妄想よ!空想よ!私は動くものが嫌いだわ!つまり章が嫌い!!!」 「イヤなんで私だけ限定されてるの!?黒尾だって動いてるじゃん!!!」 「ものよもの!あんたはもの!」 「2丁目の猫たちよりこっちに殺意を持つわ!!!」 ガサッ。 「にゃっ!!!!」 わぁ、美夜が猫らしい声出した。珍しい。 「ネズミよ、ネズミ!!!一寸!だれか見てきてよ!」 「・・・違うと思うが」 「うん」 「では、私が見てきましょう!!!」 そう言って音の下角のほうへ行き、角に入って見えなくなった。 「にゃああああああっ!!!!」 叫び声。 死亡フラグッ!!! 「どうしたんだろうなぁ?みてくっか?」 「見てきてよっ!絶対ネズミよ!!!」 だったらお前が見てこいよ。 「おっし、ちょっくらいってくるぜ」 角に行って消える。 しばらくして戻ってきた。 「あ、誰もいなかったぜ」 さっきの猫は消えた。 面白いことになってきた。
2011/7/12 14:5:40 [221]「どうしたのよ?」 美夜は黒ネコに問いかけた。 「その、貴方達の砂場が、2丁目の猫たちに乗っ取られてしまいました!!!」 砂場=トイレね。 あの、私どうでもいいんですけど。 「なんですって!?2丁目のやつら、5丁目まで手に出してきたのね!!!」 「腕がなるぜ・・・」 黒尾と美夜はやる気満々。 私はやる気ゼロ。 「喧嘩はいけないよ、話し合いをしよう」 金糸雀も結構やる気。 やる気ないの私だけですか。 「どうでもいいな、そんなこと」 おぉ、青鷹。貴方も私と同じ思考の持ち主であったか!!! 「然しこれで2丁目のやつらと喧嘩する理由ができた」 いや、喧嘩は駄目だって!!! やる気あるのもだめだって! みんなは殺気をムンムンさせて公園を出て行った。 とりあえず何が起こるか心配なので、私も付いていく。 そして、ついたところは。 「ここですにゃ!!!」 生臭い廃墟だった。 「このにおいは2丁目のやつらが殺した・・・」 「人参が腐ったにおいだよ」 「いや、その。雰囲気を出したかったんです。すいません」 この猫、ボケるんだ。 「とりあえず行こうぜ!な!」 「「おう!」」 みんなは廃墟に向かって走り出していった。 ・・・ってあれ、何この俺たちの戦いはまだまだ続くぜエンド。 こういうときはだれかが死亡フラグを立てておくべきだと思うなぁ。 さて、私も行くか。 非日常を求めに。
2011/7/6 21:31:44 [467]「人間の友達はできたのか?青鷹」 「いないよ」 「あれ?私人間なのに頭数に入ってないの?」 「うん。まぁ」 ううう、ひどいよ。 ここは石丁公園。今日も私たちは話をしている。 「というかまず、青鷹に友達は必要なのかしら?だって青鷹、人間と話す気なんてないじゃない?」 じゃぁ私は何なの!? 「それに、友達は私たちじゃない。3人もいりゃ十分でしょう?」 だから私は? この雌猫、名前を美夜と言って、白い猫。 もう、純白。 心は漆黒です。 「友達は多いほうがいいよ。いざという時いろいろ助けてくれるから」 このきれいごとを言っている雄猫は金糸雀。三毛猫で、額に十字の傷がある。 「おし、今日は何の話するか!?」 空気を読めていないこの雄猫は黒尾という。白がベースで、黒い靴下猫だ。もちろん尻尾は黒。 「じゃぁ、俺がした冒険の話をしてやるよ!!!」 冒険=食べ物の盗み 「盗みは犯罪だから、やめようね」 「人間にとってはだろ?俺は猫だ!知ったことか!」 「あぁ、もう…」 黒尾は馬鹿なので、どう説得しても無駄。 「じゃぁ、昨日の合唱の話はどうかしら」 合唱=鳴き声 「あぁ、きのうあれ?黒尾の音痴が目立った日だったね」 「う、うるせぇ!歌うまいからって、調子に乗んなよなッ!!!」 私と青鷹には合唱はなんて言ってるかもわかって聞いてるとたのしいんだけど、猫の言葉がわからない普通の人が聞くと煩いだけ。 つまり、人間にとってはやらないでほしいことだ。 「気持ちよく歌っていればいいじゃんか。ま、少しは周りの事は考えてほしいが」 「う…」 耳障りだと言っている。 「そうね。うるさいのよ、正直」 「うるせぇなぁ!!!お前だって結構外れてたじゃねぇか!」 「あなたほどじゃないわよぉ?」 のどかな日々か続いている。 というか、ほとんど何も起きない日々か続いている。 こういうとき、非日常は忽然とやってくる。 「た、大変ですにゃ!!!青鷹ぁ!!!」 一匹の黒ネコが、公園に入ってきた。 ほら、ね。
2011/7/5 21:24:7 [725]プロローグ これは、3年前の話です。 私が小学3年のころ、家出をして、そこらへんの公園へ逃げていた時の事です。 雨がざぁざぁ降っていて、夜だし誰もいないだろうと思い、そこで雨に打たれていました。 しかし、そこにはいたんです、人と猫が。 「君、こんな時間に何してんの?」 私と同じくらいの男の子でした。 両手に猫2匹抱えて、雨に打たれていました。 「貴方こそ、なにしてるの?」 「集会」 猫と、かな? いやいや、ありえんだろう。 「だれと?」 「こいつらと」 そう言って猫二匹を少し上にあげた。 あ、やっぱり、猫と? 変な人。 「君は、どうしてここにいるの?」 淋しそうな彼の青色の眼が、私は少し怖かったので、すべて話しました。 猫が嫌いで、怖いのもありましたけど。 話している時、彼はずっと黙って聞いてくれていました。 家出した理由とか、全部話し終えたら、私はすっきりして、家に帰ろうと思い、彼にお別れと、お礼を言いいました。 「ありがとう、おかげですっきりしたわ。私、伊阪章よ。君は?」 「水登青鷹」 「いつも、ここにいるの?」 「決まった日だけ。週一くらいでいる」 「じゃぁ、また来てもいい?」 するとびっくりしたのは彼ではなく猫でした。 手からするりと自分から落ちて、地面に直撃。 「別にいいよ」 これが、彼との出会いでした。 今では親友です。 恋心何て抱きませんよ、不純な。 そして今日も、公園で猫と話しています。
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