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【恋愛&イジメ小説】緋色のモンシロチョウ【書いてみた】

アリカ様 No.1679|2011/4/2 22:9:39

ねえ、知ってる?
歌じゃ世界を救えないんだよ。
ねえ、知ってる?
私はここにいるんだよ。

えー、恋愛、イジメをテーマに書いて行こうと思います。
未熟者ですが、末永くおつきあいを(ty

【登場人物】

木下有希(きのしたゆうき) 主人公。高校一年生の少女。東京生まれの東京育ち。

↓クラスメイト↓
柴田久郎(しばたくろう)
神奈川旭(かながわあさひ)
乾梨花子(いぬいりかこ)
町田琴音(まちだことね)
佐々木光(ささきひかる)
井上勇三(いのうえゆうぞう)
↓教師↓
荒田(あらた)

 


        上げ

ぺんちゃん

2011/8/21 16:52:0 [168]

自分の本名がクラスメイトの中にあると嬉しくなりますねw
ストーリーも面白いです。
うp 

アリカ様

2011/6/26 18:46:0 [833]

洗濯物を取り込んでたたんでいると、従兄弟が帰って来る音がした。
一瞬顔をあげるが、気付かないフリをしてすぐに家事に集中する。
「あれ、有希帰ってたんじゃん」
乾梨花子。昔から有希は一つ年上のこの人が苦手だった。
制服もきちんと着こなし、髪も綺麗に整えられている、表面上は清楚な女の子。
だけど嫌いな人は徹底的に嫌うような子。
小さい頃から、有希とは付き合うなと伯母さんから言い聞かされていた彼女は有希の事を嫌っていた。
梨花子に罪がないとはいえ、嫌われるのは気分のいいものじゃない。
「ねー宿題やっといてよ、これから予定あるからさ」
伯母さんそっくりな笑みを有希に向け、答えを聞く間もなく梨花子は宿題のプリントを有希に差し出す。
そして何も言わずに階段をあがり、自分の部屋に戻って行った。
息を一つ吐いてちらりとプリントを見る。
「……数学?」
“ベクトル 課題プリント”と右上にでかでかと書かれていて、有希には理解の出来ない矢印と記号が羅列していた。
頭をかかえたくなったが、まだならっていない範囲をやらされるのは良くあることだ。
あとで梨花子の教科書を拝借して頑張って解いてみようと思い、それを傍らに置いて有希は家事の続きをした。 

★あんな★

2011/5/29 15:35:28 [973]

面白いです!! 

アリカ様

2011/5/23 21:20:49 [634]

ただいま、と言っても誰も返事をしてくれない家に辿り着いた。
まだ日は落ちていないから洗濯物がまだ干してあるだろうと思い、勝手口から外へ出る。
思ったとおりだった。有希は洗濯物を取り込もうと、物干竿に手を伸ばす。
こういった簡単な家事は有希の仕事だった。
掃除なら従兄弟の部屋もリビングもキッチンも、それから強い潮風で錆び付いた窓ふきまで。他は食器洗いだったり、洗濯物だったり。
伯母さんは料理が好きなので食事を作らされることはなかったが。
――有希ちゃんが手伝ってくれるから助かるわ
口元だけで笑って言う伯母さんの顔が脳裏に浮かび、慌てて有希は頭を振った。あんな嫌な表情を思い出したくもない。
有希も居候させてもらっている身分なので文句も言えずに家事をこなしていた。
たまに従兄弟の分の宿題までやらされることもあって、遊ぶ時間などありはしない。
だけど、何もしないよりは気が楽なので今の所はコレでいいことにしていた。
両親のことを、伯母さんは良く思っていないらしく、有希に対する風当たりも強くなっているのだということを有希も分かっている。
有希は選んでこんな両親から生まれた訳ではないのに、と呟きながら嘆息した。 

アリカ様

2011/5/1 22:59:10 [608]

大きく息を吸い込んで、そのまま大声を出そうとした。
島の中央にある休火山に登り、すぐそこにある海に向かって何かを叫びたくて。
だけど言葉が見つからず、有希は息をゆっくりと吐き出す。
「……馬鹿」
そして残った息で小さく呟いた。
傍らにはスクールバック、そして制服姿。
学校から家に帰ることもなく有希は山に登ったのだ。ただ、なんとなく。
自分でも馬鹿なことをしたと思う。
久郎に悪気があった訳はない。ただの会話の中で、当然聞きたくなるようなことを聞いただけだ。
悪いのは、勝手に傷ついて勝手に飛び出した自分の方だ。
そう思い込み、やり場のなくなった感情を足元の石にぶつけた。
石はあらぬ方向に転がって行き、案外近くで止まった。
それすらももどかしい、何もかもが有希の苛つきを倍増させる。
ゆっくりと近づいて来る小さな波と通常通りの自分の鼓動を聞いて心を落ち着かせる。無理矢理に。
乱暴にスクールバックをつかみあげるのはもう癖になってしまったらしい。
有希は憂いを帯びた表情を一変させて山から下りた。
能面のような何もない……いつも通りの表情の仮面をかぶって。 

アリカ様

2011/4/22 21:10:51 [821]

喉の奥を鳴らして久郎は笑う。
安心したような、気が緩んだようなそんな笑いだった。
窓の外でサッカー部の練習の声が聞こえる。有希はそれを見るふりをして久郎から目を逸らした。
つられたように、久郎もそちらに目をうつす。
しばらくボールと地面がぶつかる音を二人は聞いていた。
「そういえばさ」
不意に久郎が口を開く。
「木下って、何でこんな島に引っ越して来たんだ?」
“こんな島”というところで久郎は僅かに声を低くした。
それに気付かないまま有希はぼんやりと答える。
「親が離婚した」
それきり、有希は押し黙ってしまう。
有希の横顔を眺めていた久郎は、“そうか”とだけ呟くと行き場のなくなった目線をグラウンドに向けた。
重い沈黙が教室を支配する。
その空気に耐えられなくなったのか、有希はスクールバックを乱暴につかみあげて立ち上がった。
「……きのし、」
「バイバイ、また明日」
新品の上靴で教室の床を踏み、有希はその場を去った。
一人残された久郎は途方に暮れたまま有希の去った方向を眺めていて。
だから、そのせいか。
二人とも、窓から誰かが様子を見ていたことに気付かなかった。 

アリカ様

2011/4/19 21:13:46 [558]

有希はふわりと微笑んだ。
少しは楽しくなるかもしれない、と。
あとの授業はいつもどおり耳に入って来なくて、時計の音と黒板にチョークを打ち付ける音を聞きながら有希は頬杖をついて教科書を見ているフリをしながら眠った。

「……おい」
いきなり頬をつつかれて目を覚ました。
思わず勢い良く顔をあげる、とそこには久郎の顔があった。
「呼んだんだから返事くらいしろよ」
少し頬を膨らませるような仕草が以外と可愛らしい。
気付けば、教室には久郎と有希以外に誰もいなかった。
六限目も寝過ごしたようだ。どうやら皆部活に行ってしまったらしい。
「……ごめん、寝てた」
「はぁ? 今のが?」
「うん、柴田君が来てから、すぐ」
久郎は数度瞬きして有希の顔を見た。
何だろう。ブルーのカラーコンタクト越しにじっと見つめられるのは居心地が悪くて、背中に一筋の汗が伝った。
「……荒田の授業で寝るとか……勇者だな」
暫くして久郎の口から出て来た言葉は予想外の物で、有希はほんの少しだけ目を見開いた。
「何で? 私けっこう寝てるけど」
自慢ではないが、有希は授業中にバレないように眠るのが得意なのだ。
余談だが、小学校の頃にこの技を習得したらしい。
「意外……真面目なヤツだと思ってた」
 

魔利亜

2011/4/15 19:47:2 [616]

一人一人の感情の書き方がお上手ですね♪
あげて置きます♪ 

しばっち

2011/4/15 19:11:23 [209]

なんかリアルっぽくて読んでて面白いです^^
これからもがんばって下さい! 

アリカ様

2011/4/14 20:40:14 [805]

昼休みの後の五限目の授業の時だった。
久郎は教室の後ろの扉を開けて登校してきた。
「おい柴田、何か言うことはないのか?」
英語教師でこのクラスの担任で、ついでにいうと頭のてっぺんの辺りが少し禿げている教師の荒田が久郎に厳しい口調で言う。
久郎はそれを気にした様子もなく自分の席に座った。
「おい、柴田」
荒田は授業を中断して柴田を叱りつける。
嘆息して久郎は荒田を上目遣いで睨みつけた。
「お気になさらず、どーぞ続けてクダサイ」
慇懃無礼、というのが正しいのだろうか。
一切の敬意がこもっていない口調で久郎は言い放った。
「っ、あとで職員室に来なさいっ」
捨て台詞のような言い方に、久郎は肩をすくめただけで。
クラスメイトの反応は様々で。
男子は一人を除いて久郎から目を逸らし、一人……井上勇三はクスクスと笑いながら荒田の方を見ている。
女子は神奈川旭他数名が黄色い声をあげていて、あとはうつむいて目を逸らすか何事もなかったかのように教科書を眺めている。
殆どの人が久郎に構おうとしていなかった。
こういうとき“遅れてすいませんでした”とでも言えば上出来なのだろう。
後で面倒なことにもならないし、クラスメイトに白い目で見られることもない。
だけど久郎は。
数日しか彼のことを見ていないが彼が教師を嫌っているのはよく分かる。
だからどうしても従いたくなかったのだろう。
だけど、クラスメイトの面前でよくここまで堂々と逆らえるものだ。
もしこれが荒れた学校なら普通のことだったかもしれないが、ここはそれなりに真面目な学校で。
こんなことをする勇気は普通の人にはないだろうと思う。 

アリカ様

2011/4/12 18:58:13 [258]

あまり気にしないことにした。
ああいう輩とは絡まなければどうにもならない。
東京にいたころもずっとそうしていたから。
そう、ずっと誰とも……
そういえば、話しかけて来た人など一人もいなかったかもしれない。
多分、久郎が始めてだ。
だけど彼の場合は興味があったのは“有希”ではなく“東京”であった。
だからおそらくここでも前と同じなのだろう。
少なく、浅い関係の友達。携帯電話のバイブ音はしばらく聞かないことになるだろう。
彼らが両親のことを知らないのが唯一の救いかもしれない。
そのこともあってずっと避けられていたから。ここならば、もしかしたら暫くすると友達が出来るかもしれない。
この島は、嫌いじゃない。
だから、ここの人も好きになれる、はず。
ふと気になって、有希は久郎の席を見た。
空席。朝からずっとだ。
今日は休みなのだろうか。
――あとで、メールしてみよう
この島に来てからアドレスを交換したただ一人が彼だった。
少しでも、仲良くなりたいと思う。
そして、先ほど旭に言われたことは頭の中から消え去っていたのだった。 

魔利亜

2011/4/9 12:14:15 [7]

警告っぽいですね・・・。
これから、どうなるんでしょう?
あげておきます^^ 

アリカ様

2011/4/8 21:45:41 [669]

不安ではあったけど、少しは楽しくなりそうだ。
そんな淡い希望は一週間で砕かれた。

久郎に島を案内してもらってすぐの出来事。
「ねえ、木下さん」
休み時間、数人のクラスメイトに話しかけられた。
有希の表情は自然と綻ぶ。
この島でもうまくやれるかもしれない、そう思った。
「何? ……えっと、神奈川、さん?」
話しかけて来たのは神奈川旭。
旭はこの学校では目立っていて、所謂女子のグループのリーダー格的存在だった。
「あんた、柴田くんとどういう関係?」
いきなり飛んで来た言葉は刺々しいものだった。
一瞬言われている意味がわからなくて、有希は困惑する。
「……よく分かんない、会ったばっかりだから」
とりあえず曖昧に返したが、旭は眉を僅かに吊り上げる。
旭の取り巻きとも思われる人達は旭の顔色を伺いながら私に言う。
「わかんない、って何よ」
「いきなり転校して来て、何様のつもり?」
そんなことを言われても困る。
だいたい、久郎のことは何とも思っていない。
優しいとも思うし、尊敬出来るとも思う。だけど“そういう感情”とは一切関係のない事だ。
「とにかく、もう柴田くんと話さないで」
忠告じみたことを一方的に吐き捨て、彼女らは有希から離れて行った。 

魔利亜

2011/4/8 15:48:57 [90]

水商売と暴力団に絡んだ仕事ですか。
その間にできた有希さん、かわいそうです・・・・。
がんばってください^^ 

藍龍

2011/4/8 14:58:9 [948]

前作も(Lv的にコメントはできませんでしたが)楽しませていただきました。
応援しています!頑張ってください☆ 

しばっち

2011/4/8 14:30:6 [580]

すごいですね!面白いデス☆☆
頑張って下さい^^応援してます〜(><)b
上げ♪♪
 

アリカ様

2011/4/7 21:55:58 [584]

一週間前。
有希はこの島にやってきた。
小学校を卒業してすぐに両親が離婚して、私は島に住む叔母に引き取られたのだ。
母親の職業は水商売、父親は暴力団に絡んだ仕事をしている。
二人とも有希を引き取りたくなかったらしい。だから有希は東京から離れ、こんな辺鄙な場所へ引っ越して来たのだ。
叔母に迷惑をかけるわけにはいかないので金髪も黒に戻し、メイクもやめた。
まわりに反抗するような態度も、島では必要ないのである。
有希はこの島が好きだった。
海も空も山も花も。
だけど、この島の人間は嫌いだ。
いつからだろうか。
前に島に来たときは従兄弟たちと遊んでいただけで島の人のことはよく知らなかった。
だから、ここに越して来てから。
島の中学に通い始めてすぐのあの日からだった。

「東京から来たんだ?」
入学直後、話しかけて来たのは久郎だった。
脱色された髪に端整な顔立ち。だけど少し鋭い目つきの彼が始めの頃は少し怖かった。
久郎はすぐに私に質問攻めをする。
本土で流行っている音楽やファッション、それからアーティストの事も。
戸惑いながら私が答えると、彼は笑って礼を言う。
外見に似合わぬ、少し幼さが残る笑顔だった。
きっと、久郎は女子に人気があるのだろう。 

魔利亜

2011/4/6 11:49:1 [776]

おぉ!何だか深そうな始まり方ですね〜!
これからも、がんばってください♪ 

アリカ様

2011/4/5 21:42:23 [893]

夏の海辺で久郎と有希はならんで歩いていた。
照りつける太陽が暑い。
額の汗を拭いながら笑い合うこの時間が何よりも楽しかった。
「東京……行ってみたいな」
久郎は呟いて嘆息する。
ど田舎と言ってもいいほどのこの島から、久郎は一度も出たことがないらしい。
一日に一度島から出る定期船は東京へと続いているが、それに乗りたいとは思わないそうだ。
「ただ行きたいんじゃなくてさ……ちゃんと東京行って自分で生きたい。勿論コレで」
と、彼は背中に担いだギターケースを指した。
ネットオークションで落としたらしいそれを、久郎はいつも持ち歩いている。
額にへばりつく適度に脱色した髪を軽く払い、彼は微笑む。
「絶対有名になって……で、歌で何かを救いたい」
馬鹿みたいな夢だろ。
そう笑い飛ばす久郎の瞳はきらきらと輝いている。
転校して来たばかりの有希に島の中を案内している時も、夢の話ばかりしていた。
羨ましい、と有希は思う。
目標に向かって歩き続ける久郎を尊敬さえしてしまう。
「あ、ごめん。俺の話ばっかだな……島の案内忘れてる」
「んー、じゃあもう一周しちゃう?」
楽しい時間がまだ続いて欲しくて、有希は冗談を言って笑った。
「そうだな、もう一周……っと、危ない」
突如、二人の隣を軽トラックが走り抜けた。
久郎が有希の手を引いてそれを避ける。
「あ」
トラックが通り抜けた後の道路にモンシロチョウの屍骸があった。
そっとしゃがみ込んで、久郎はそれを手に乗せる。
「あー、轢かれたのか……可哀想に」
小さな昆虫にも、久郎は優しい。
すこし怖く見える外見がまるで嘘のようだ。

だけど、再び歩き出したその五分後には二人ともモンシロチョウの存在を忘れていた。 

魔利亜

2011/4/3 12:5:45 [383]

更新まってますm(__)m〜♪
頑張ってくださいね^v^
あげて置きます^^ 

むぅ☆

2011/4/3 11:55:56 [996]

楽しみにしています!
あげ 

 
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