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小説「放浪記」

シンタロウ No.1407|2010/12/13 16:37:0

はい、ど〜も〜!シンタロウです!!
前回は「いぢめ」という作品でね、なかなかユーモラス
なところがね!(ないっつーの(-_-)
まぁ、それが大盛況だったわけですよ!(嘘おっしゃい!
隣でうるさい虫がいるんですがね、
そんなのムシ、ムシ!(つまら〜ん!!
そんな訳で、(どんな訳だ・・・(-_-)
新しい小説、書いちゃいます!!!!(オォ〜〜!!
詳しい説明なんかは省いちゃって、
早速いきましょう!!(省くな!!
それでは、「放浪記」の始まり、始まり〜!!

 


        上げ

magstoon

2011/3/29 22:42:44 [977]

応援age↑↑ 

magstoon

2011/2/27 20:28:4 [631]

応援age↑↑↑ 

さゆy

2011/2/1 23:44:7 [775]

シンタロウsガンバって書いてねぇ!!
私は『放浪記』忘れてないよ!!
上げとくから!!! 

さゆy

2011/1/5 21:4:27 [142]

いたの??ってマジでいってたのかな??
でも本当にひどいなぁ!!
うちもたまに姉に言われるけど・・・。 

美璃

2011/1/5 19:2:30 [724]

ほうほう殺された・・・・・
母親w『いたの?』ってwwひどっ!w
アゲ 

ばろん

2011/1/5 15:44:38 [862]

えっ・・・。
殺されちゃったの・・・。 

シンタロウ

2011/1/4 23:22:29 [171]

第十一話・続
 俺はその夜、興奮して眠れなかった。
 と言うより、頭の中が混乱していた。
 なにもかもが急すぎる。あっと言う間に決まってしまった。
 盗聴して、鬼の子が斗美だと知って……そんで、盗聴がバレて、
 死罪かと思えば……変な爺が出てきて免れられるし、
 助かったと思ったら、『放浪』に行けって言われるし……。
 何がなんだか分からなかった。
 ぐちゃぐちゃと頭を混乱させてるうちに夜が明け、朝が来た。
吉「結局……一睡も出来なかった……」
 俺は布団から起き上がり、窓を開けた。すると、怒声が飛んできた。
母「斤南!あんたいつまで寝てんだい?早くこっちへ来な!」
 うるさい……。俺は眠い目をこすりながら階段を下り、庭に出た。
吉「何だよ朝っぱらから、騒々しいな」
母「斤南!あんた昨日何があったんだい?正直に言ってみな」
 俺はドキリとした。まさか、盗聴したことがバレたのか?
 俺は出来る限り落ち着いて、とっさに嘘をでっち上げた。
吉「いや……、別に悪気があったわけじゃなくて……その……
  たまたまそこで寝てただけで……あの……」
母「はぁ?あんた何ブツブツ言ってんだい?
  昨日、斗美君と何があった?って聞いてるんだよ!」
 と、斗美と?はぁ?あんたこそ何言ってんだよ!
 頭おかしいんじゃねぇの?と言いたいのを何とかこらえた。
吉「斗美と?いや……何も。村外れの空き地で遊んだだけだけど」
母「その時、斗美君が何か言ってなかったかい?
  おかしな様子とか、そんなのなかったかい?」
吉「いや、特に何もなかったけど……。あのさ、どうしたの?」
母「あっ、そう……分かったわ」
 母さんはそう言った後、急に黙りこくってしまった……。
吉「ねぇ、何があったんだよ」
 全く反応がない。聞こえてないかのようだ。
吉「お〜い、何があったんだ〜い?」
 俺はさっきよりも、少し声を大きくした。
母「えっ?ああ、斤南ね。いたの?」
 いたっての。つーか、あんたが呼んだんだろうが!
吉「だ・か・ら!何があったんだよ」
母「それがね、郭那さんと、木乃恵さんが殺されたらしいのよ……。
  それによく分からないけど斗美君も行方不明らしいのよ」
 はぁ?何だって?斗美が行方不明?それに斗美の両親が殺された?  

ばろん

2011/1/4 16:45:42 [114]

死罪、免れてよかったぁ・・・。 

シンタロウ

2011/1/4 0:54:4 [775]

第十一話・続
 次々と三吉から大人たちが出てきて話し合っている。
?「てめぇ!盗聴をしやがったな!
  死罪になるって分かってやってんのか!」
 俺はカチンときた。
吉「でもよ、そんなに大事な話なら場所を選んで話せよ!
  これじゃ、聞いてくださいって言ってるようなもんじゃんかよ!」
?「小僧に何が分かる。一番安いのが三吉だからだ!」
吉「てめぇらは無駄なことに金を使いすぎなんだよ!」
 どうせ死ぬ命だ。思う存分言いたいことを言ってから死んでやる!
吉「お前らの金の使い道なんかよ!馬を買えだの、人を雇えだの…。
  んなことぁ自分でやれってんだ!」
?「なっ!ふざけんなこのクソガキ!調子に乗るんじゃねぇ!」
?「まぁ、待て。そこらへんにしておけ。その小僧にも一理ある」
 少ししわがれた声がしたかと思うと、奥から白い口ひげを生やした
 爺さんが出てきた。
?「確かに我らも無駄に金を使いすぎているかもしれん。
  だがの、小僧。馬を買うことも、人を雇うことも、
  決して無駄ではないのじゃよ。どうしてかって聞かれると困るがの」
?「しかし族長……」
 そうか、このジジイが族長なのか。言われてみればそんな気もする。
 まぁ、今更族長が誰だか分かっても、死罪は確定だろうけどな。
吉「おうジジイ!いったい俺はどうなるんだ?」
 どうしてだろうか……俺は開き直っていた。
虎「小僧、ジジイじゃない。吉招寺一族族長、吉招寺 虎来(こらい)じゃ。
  よく覚えておくんじゃな」
吉「虎来のジジイよ。俺はどうなるんだい?」
虎「そうじゃのぉ、死罪もいいが……のう、皆の衆。
  この小僧に『放浪』に行かせるなんてどうじゃ?名案じゃろう?」
?「しかし族長。こいつは鬼の子よりも劣ります。一族の掟では……」
虎「掟がなんじゃ。そんなのに縛られておったら成長できんぞ。
  のう?小僧よ」
 そう言ってジジイは俺の頭をなでてきた。優しい手だった。
?「しかし、決まりでは、評議会の盗聴は死罪に値すると……」
虎「お主らは、そんなにこの小僧を死罪にしたいのか?」
?「い、いや……決してそういうことでは……」
虎「もうよい!それなら、この小僧が『放浪』に成功したら死罪は免除。
  失敗したら死罪。これでよいじゃろう?」
?「……分かりました」
 俺は飛び跳ねそうになった。とにかく死罪が免れたのだった。 

さゆy

2011/1/3 23:2:31 [803]

どうなるの?
毎回気になってばっかりだ〜〜〜(泣)
面白いからかな???
頑張って〜〜〜!! 

美璃

2011/1/3 22:10:17 [613]

ばれちゃった俳(*’o’*)o ウオオォォォォ!!
主人公【。*†*。ガンバレ。*†*。】´c_、`●)ノ
アゲ 

シンタロウ

2011/1/3 21:23:0 [44]

第十一話・続
 ヤバイ……。
 俺が聞いたのは「評議会」だった。
 一族のトップが集まって開く話し合いの場、
 それが「評議会」だ。
 「評議会」で話される内容はトップシークレットであり、
 例え、一部分でも知っていることがバレたら死罪は免れられない。
 俺はそんな危険な話しを盗み聞きしてしまった。
 逃げなければいけない。
 今すぐここから逃げて、何も知らなかったフリをしなければいけない。
 そう思うのに……そう思っているはずなのに、
 俺の足は動こうとしなかった。
 続きを聞きたい。話しの続きを知りたい。
 そんな好奇心が、俺をそこにとどめていた。
?「先代は何を考えていたんだ?くそっ」
?「しかし、あいつは郭那の息子です。大丈夫なのでは?」
?「いや、それはあるまい。
  郭那が『放浪』を成し遂げることができたのは、一重に木乃恵の
  おかげじゃ。木乃恵がおってこそじゃった」
?「では、どうするのです?族長。他の者に任せますか?」
?「う〜む……分からん。今回も木乃恵のようなやつが現れる
  とも言えんし、現れないとも言えんだろう……。
  どうしようかのぉ……」
 長い沈黙が続いた。
 俺はバクバクと脈打つ心臓の音が聞こえないかと、
 無茶苦茶ビビりながらも、耳をそばだてていた。
?「しょうがないのぉ……鬼の子にするか。
  後は運に任せるしかないじゃろう?」
?「では、郭那の息子に『放浪』をさせていいんですね?」
?「仕方ないじゃろう。斗美に伝えよ」
?「はい!」
 俺は動揺していた。自分でも分かるくらいに動揺していた。
 斗美が?斗美が『放浪』に?
 いや、そんなことよりも、斗美が鬼の子?
 俺でも鬼の子の話しは聞いていた。
 鬼の子は遺伝子の突然変異で生まれ、
 非常に凶暴かつ残酷な思想を持ち、その身体能力は非常に高い。
 ただ、そんなものは作り話であって、事実ではないと思っていた。
 第一、斗美と遊んでいてそんな風には感じなかった。
 俺の斗美に対する印象は“優しい”だった。
 俺は、ただただ愕然とするばかりだった。
?「おい!そこで何をしている!」
 俺は驚きのあまり重大な過ちを犯してしまった……。
 盗聴が『評議会』の連中にバレたのだった…。   

シンタロウ

2011/1/3 20:43:50 [67]

皆さんありがとうです^^
最近時間が無くて大変ですけど・・・
頑張っていきたいと思います^^
なので、気長によろしく♪
 

美璃

2011/1/3 19:8:42 [906]

σ(´゚д゚`)も皆さんと同意見!
アンタは、すごいよぉ(*>д<)/(´ω`◎)ゞ
アゲ 

ばろん

2011/1/3 17:26:25 [971]

続き早く見たいなぁ・・・。
がんばってネ♪ 

magstoon

2011/1/3 16:14:54 [374]

うおっ!続き期待!
そしてあげ〜↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑ 

さゆy

2011/1/3 15:51:2 [499]

上げるの忘れてました
ゴメンナサイ 

さゆy

2011/1/3 15:50:32 [540]

age とく!!
小説頑張ってね!! 

さゆy

2011/1/1 21:26:26 [509]

何々??
スッゲエ気になる!!!
誰が最強なの〜〜??
わ〜〜〜ネタバラシしてください!! 

ばろん

2011/1/1 16:41:22 [830]

聞いてはいけないものって?
いったい誰かしゃべってるんだろう・・・。 

シンタロウ

2011/1/1 15:56:42 [935]

第十一話〜過去〜
−10年前−
吉「じゃあな。また明日」
斗「おう!またな」
 そう言って俺は斗美と別れた。
 帰り道を一人歩く。この瞬間が何故だか、ものすごく切なかった。
吉「今日の晩飯は何かなぁ」
 大抵が肉だったが、今日は姉さんの誕生日だった。
 何か、いつもと違うものが出てくるんじゃないかと、
 俺は密かに期待していた。
吉「やべっ!日暮れそうじゃん」
 俺の家の門限は、日が暮れるまでと決められていた。
 もちろん、門限を破ったら罰が待っている。
 俺は、走り出した。正直、歩いていたら間に合わない。
 うどん屋の角を曲がった時だった。ふと、話し声が耳に入った。
?「誰が……だと……う」
 何だろう?話し声にしては小さすぎる。
 俺は、好奇心のままに、声の出所を探した。
 その結果、行き着いたのが集会所、通称「三吉」だった。
 俺は、壁に耳を押し当てて盗聴した。
?「やはり、あいつしかいないのか?」
?「仕方がないだろう。一族の子供の中ではあいつがダントツだ」
?「しかし、鬼の子を『放浪』に行かせるなんていけません。
  必ず、我が一族に災いをもたらします」
?「でも、郭那(かくな)の件はどうなる?あいつは何事もなかったぞ」
?「あやつのような例は稀じゃ。偶然、木乃恵(このえ)と出会ったから
  よかったものの、出会っていなかったら大変なことになっておった」
?「しかし、族長。なぜ、先代は郭那を放浪に行かせたのです?
  危険だったのではないでしょうか?」
?「そのことについては、わしも分からん。
  先代は何一つ教えてはくれんかった」
 聞いてはいけないものを聞いてしまった。
 このことがばれたら多少の罰では済まない。
 もしかしたら殺されるかもしれない。そんな不安が胸をよぎった。 

シンタロウ

2011/1/1 8:29:45 [3]

さゆyさん、ばろんさん、magっち、美璃さん
ありがとう〜♪
小説書いてて誰も来なかったりすると、
結構、むなしかったりするんだww
だから、足跡残してくれるだけでもうれしいし、
コメントしてくれたら、もっとうれしかったりする^^
君たちは、心の支えだーっ!!(笑 

美璃

2010/12/31 17:52:29 [746]

真実知りたい!
叶女様かわいそう・・・・
でもやっぱ生で見てみたいΨ(`∀´)Ψヶヶヶ
アゲ 

magstoon

2010/12/31 7:35:21 [408]

あげるの忘れてた…。orz 

magstoon

2010/12/31 7:35:3 [316]

あげだ! 

ばろん

2010/12/30 16:42:53 [995]

一話から読みました(●^ω^●)めっちゃおもしろいね☆
続き、気になります!! 

さゆy

2010/12/30 16:27:18 [244]

上げるの忘れました・・・。
ゴメンナサイ 

さゆy

2010/12/30 16:26:55 [26]

衝撃の真実!!
知りたい知りたい!
すごい気になる!!!
炎の中って、燃えてるって事??
上げときます♪ 

シンタロウ

2010/12/28 22:15:28 [338]

第十一話〜裏切り者〜
吉「いや〜…真っ暗だ。何も見えねぇ…」
 進んでも、進んでも真っ暗だ。明かり一つ見えない。
 壁づたいに進んでいるものの、すでに方向感覚は失われていた。
吉「……はぁ」
 病みそうだ……。真っ暗なうえに、どこまで続くか分からない迷路。
 精神的にキツイ……。
吉「……んっ?」
 一瞬だった。一瞬、一筋の光が見えた気がした。
吉「何だ?」
 額から流れる汗を手の甲でぬぐう。
 それにしても、暑い。蒸し風呂にいるようだ……。
吉「まただ……」
 また光が見えた。それも、さっきよりでかいのが……。
吉「あっ!」
 角を曲がった時だった。微かだが、遠くに光りが見える。
 それも、一瞬ではない。ずっと光っている。
吉「出口か?」
 俺は、慎重に歩いた。敵の罠かもしれない……。
吉「……」 
 一歩、一歩前進するたびに光が大きくなっていく。
 ただ、近づくにつれて、暑くなってきているのも確かだった。
吉「……!」
 もう少しで出るという時になって、ようやく光の正体が分かった。
吉「炎か……」
 火だった。出口の向こうで真っ赤な炎がちらついていた。
吉「どうりでな……。そりゃあ、暑いわけだ」
 こんな空間じゃ、熱がこもるのも当然ってわけだ。
 ただ、俺が出口を抜けたとき、そんな暑さじゃ比にならないほどの
 光景を見た…。
吉「なっ……!」
 俺が見たのは、炎の中にうずくまっている、叶女だった。
吉「おい!叶女!」
?「やぁ、君だったのか。よく来てくれたね、歓迎するよ。斤南」
 いつのまにかヤツは俺の後ろにいた。
吉「やっぱりお前だったのか……斗美(とび)!」
斗「覚えててくれたんだ?うれしいなぁ」
吉「覚えてるよ。お前は、俺たち一族の裏切り者だからな」
斗「何を言ってるんだい?裏切ったのは一族の方だろう?」
吉「違う!裏切ったのはお前だ!お前が、叔父さんと叔母さんを…」
斗「うるさいっ!裏切ったのはお前らだ!
  つまらない言い訳をするな!」
吉「斗美!それは違う!みんなは……」
 みんなは……。
 俺は、あの時、偶然耳にしてしまったんだ。真実を……。   

シンタロウ

2010/12/28 21:46:10 [751]

さゆyさん、美璃さん、ありがとうございます^^
ごちゃごちゃの感想・・・全然OKです!
むしろ、ありがとうございます!!
もちろん警備の人は裸です!(キャッ!
寒空の下、可哀想ですね・・・ww 

美璃

2010/12/28 18:24:16 [267]

服借りたって・・・・警備の人・・・・・・裸!?
 

さゆy

2010/12/27 23:30:53 [191]

本当に簡単・・・
強いのかなぁ??
ごちゃごちゃの感想許してね!! 

シンタロウ

2010/12/27 21:23:43 [710]

第十話〜
吉「……弱っ!」
 俺が警備のやつらを片づけるのにかかった時間、約5分。
 予想以上に弱かった。まぁ、俺が強かったってのもあるけどな。
吉「あ〜あ、疲れた」
 首を回してみる。こってる……。
吉「準備運動不足かな?」
 まぁ、そんなことはどうでもいい。
 俺は倒れているヤツから服を借りた。
 変装ってやつだ。そっちの方が見つかりにくいし、
 忍び込むための定石ってもんだろう?なっ?

吉「とまぁ、忍び込んだわけなんですが……」
 どうすればいいんだろうか?
 俺は、城に入った途端に立ちつくしてしまった。
 四方八方に扉がある。
吉「どれにすっかなぁ?」
 う〜ん……悩む。
 しょうがねぇ、おとなしく世の中の定石ってもんに従うか。
吉「ど・れ・に・し・よ・う・か・な?よし!あの扉だ」
 簡単に決めすぎかもしれないが、これでいい。
 この方法が一番楽だ。
吉「さて、行くとしますか」
  

シンタロウ

2010/12/27 19:59:4 [41]

さゆyさん、美璃さん、ありがとうございます^^
頑張って続きを載せていきたいと思います! 

美璃

2010/12/26 22:37:53 [681]

うむ。私も続き気になります! 

さゆy

2010/12/26 11:22:54 [911]

うちも続き気になる!!!
早く書いて!!!
はっやく!! 

シンタロウ

2010/12/25 21:10:6 [532]

おっと、magっち、ここまで手を出してきたか・・・
なかなかやりよるのぉ。
だが、わしもまだまだ若いもんには負けておれん!
注:私は年寄りではないので、ご注意を! 

magstoon

2010/12/25 18:24:12 [673]

続き期待っ!
そして、あげ〜↑↑ 

シンタロウ

2010/12/25 16:3:8 [873]

第九章〜夜襲〜
 夜が来た。
 俺は、腹ごしらえをしたばかりの腹を叩きながら、空を仰ぎ見た。
吉「星がきれいだ……」
 叶女は今頃どうなっただろうか……。
 死んではいないだろう…たぶん。
 俺が、ついて行っても良かったが、それじゃあ負けてしまう。
 相手だって俺と同じ吉招寺家の人間だ…。
 まぁ、村の人からの情報を整理した結果、辿り着いた推測
 だから正しいとは限らないけどな。念には念を入れないとね。
吉「行くかな。そろそろ・・・」
 俺は佐ノ助にまたがった。
吉「時間だ」
 佐ノ助が走り出した。景色の流れが速くなる。
 そして、ついに景色が見えなくなった。
 
吉「ここか…」
 城……か?
 とてもじゃないが、威張って城だと言えるような代物ではない。
 ただ、小高い丘に二階建ての家を建てて、周りを柵で囲んだ…
 そんな感じだ。
吉「可哀想に……」
 これじゃぁ、吉招寺家の名が汚れちまうねぇ…まったく。
 吉招寺家の未来のためにも、俺がやるしかないか……。
吉「面倒くせぇ…」
 さてと、手始めに侵入か……。どうするかな……。
 って、どうするもこうするも無いか…。柵だけだし。
吉「よいしょっと」
 俺は柵をまたいだ。
 ピーッ、ピーッ、ピーッ!
 何だこの音?
 ……あ〜、警報か。面倒くせぇ……。
 俺は腰を下ろして、何が起こるか待った。
 フクロウの鳴き声が聞こえる。気持ちのいい夜だねぇ。
吉「……やっと来たか」
 お粗末な警備だ。
吉「ようこそいらっしゃいました。警備の方々。
  お手合わせお願いできますかな?」 

シンタロウ

2010/12/25 15:5:8 [764]

さゆyさん、美璃さん、ありがとう^^
結構、誰も来てくれない寂しい小説だけど・・・
僕、頑張る・・・たぶんww
 

美璃

2010/12/24 21:13:54 [276]

叶女様・・・・ツンデレ・・・!?

ガンバレ─(`・Д・´)9(`・Д・´)9(`・Д・´)9─ッ!!!
アゲ
 

さゆy

2010/12/24 21:12:23 [229]

吉招寺 斤南(だっけ??)キツイ〜〜〜&キビシ〜〜!!
でもなんだろ〜〜!!
何で勝てないって思ってるの〜〜?? 

シンタロウ

2010/12/23 23:12:20 [764]

第八話
 朝が早いと気持ちがいい。世の中の定石だ。
 どうして早く起きたかって言うと…もちろん、叶女を見送るためだ。
吉「おう!もうお出かけかい?お嬢さん」
叶「もう!ちゃかさないでよ!こっちは必死なんだから!」
 確かに必死そうだ。緊張をほぐしてやろうと、
 斤南流の冗談を言ったのにさ。全然笑わねぇ…。
吉「いいのかい?本当に。俺がついて行かなくてさ?」
叶「大丈夫よ。大丈夫。……たぶん」
 あ〜あ、ダメだね。きっと……
 顔が強ばっている。緊張のしすぎだ。
 まぁ、俺は助けねぇけどな。
吉「そうか。じゃあ、頑張れよ!」
叶「え?ちょ、ちょっと、ねぇ!待ってよ!」
 嫌だね。人の好意は素直に受け取るべきなのに……。
 素直じゃないから。せっかくのチャンスを無駄にしちまうんだ。
 まっ、俺にとっては好都合だけどね。
吉「あばよ!元気でな」
 俺はそう言って、叶女に背を向けた。
 後ろで俺の名前を呼んでるバカがいるが……まぁ、いいか。
 さてと、俺はこれから寝るかな。
 夜のために体力を温存しなきゃね。  

シンタロウ

2010/12/23 21:50:57 [809]

美璃さん、ありがとね^^
そう言ってもらえると、嬉しい☆ 

美璃

2010/12/23 12:35:51 [766]

続き気になる〜((o(*^^*)o))わくわく
アゲ 

シンタロウ

2010/12/23 0:8:0 [539]

第七話〜手合わせ〜
 叶女が望んだ武器は、双刀・・・つまり二本の刀だ。
 大刀よりは小さく、威力は弱いが、扱いやすく小回りが利くのが
 特徴だ。まあ、最良の選択と言えるだろう。
 それから叶女は一ヶ月、己の鍛錬に力を入れた。
 そして、一ヶ月後に、最後の仕上げとして、
 俺に手合わせを頼んできた。

叶「私と勝負して!」
吉「唐突だな。これまた、どうしてだい?」
叶「今の自分の力を知りたい!」
 俺は叶女を甘く見ていた。
 そもそも、一ヶ月かそこらで、そこまで強くなるわけがない。
 いくら才能があってもだ。
 そんな風に見下してかかったのが失敗だった。
 すぐに、その場で手合わせをした。
 もちろん、俺自身、叶女を殺すわけにはいかないから、
 鉄の力は借りずに、己の技術だけで戦った。
 結局、手合わせは引き分けに終わった。
叶「なんだ、大したこと無いじゃん」
吉「手加減したんだよ!」
叶「意地張っちゃって。可愛いんだから♪」
 明らかに俺のことを見下してる。
 まぁ、しょうがないだろう。実際、最後に鉄の力を使わなければ
 勝てなかったからな。今回は、俺の負けだ。
 それにしても、命を払っただけの力はある。
 速く、強く、それでいてしなやかで、華麗で……。
 芸術と言ってもいいくらいだった。
吉「これから、どうするんだい?」
叶「明日にでも、相手のアジトに乗り込むわ。
  今までありがとね」
吉「まぁ、せいぜい頑張りな。
  俺は遠くから高みの見物でもすることにするよ。」
 俺は、その場で叶女と別れた。
 恐らく女は勝てないだろう……。
 俺が村を回って集めた情報からの推測が、正しければな……。 

シンタロウ

2010/12/19 23:27:39 [406]

難しかったか〜・・・
そういう心配はあったんだけど、やっぱりなぁ(>_<)
次は分かりやすいようにします^^
これからも、難しいながらも楽しんでくださいね^^ 

さゆy

2010/12/19 20:42:50 [430]

今一から読んでみたよ!!
難しいような・・・面白いような・・・
どっちも入ってるような・・・
結論
うちには難しいと思う・・・けどおもしろい 

シンタロウ

2010/12/19 17:17:13 [918]

ピッピィ〜!
はい、そこの人
危ない発言はよそうねw
よい子がマネしちゃうからねww 

美璃

2010/12/19 16:14:34 [574]

叶女様勇気ありますね〜.゚+(◎′з`)φ..世界一憧れ○○ТДЙ゚+.
焼けただれたところ生でみてみたい(o≧∞≦o)ニャハ
アゲ 

シンタロウ

2010/12/19 13:31:58 [986]

第六話〜契約〜
吉「それでは鉄と契約を交わす。
  お前は鉄に、何を代償として払う?」 
女「私は……」
 お前は何を代償として払う?腕か?足か?それとも…
女「私は、命を……払う」
 俺は度肝を抜かれた。まさか、この女にここまでの意志が
 あったとは思いもよらなかった。せいぜい、俺と同じ目が限界
 だろうと思っていたのに……。
吉「はっはっは、こりゃおもしれぇや!
  分かった!お前は、己の心臓を代償として、
  鉄と契約するんだな?」
 女がうなずいた。その目には大きな怒りの炎が燃え上がっていた。 
 そうか、そんなに例の山賊とやらを倒したいんだな。
 俺はその心意気を買ったぜ。
吉「お前、名前は?」
女「叶女(かなめ)よ」
吉「よし!」
 俺は一枚の巻物を広げた。無数の文字の中に、大きな円がある。
 契約の巻物だ。
 俺は、契約の巻物を読み始めた。最初の方は、
 契約するにあたっての心構えみたいなことが書いあるから、
 どうでもいいんだけどね。でも、失敗したら大変なことになる…。
 まぁ、俺に限ってそんなことはないけどね。
吉「………する。
  汝、叶女は心臓を代償とし、鉄と契約を結ぶ。よいか?」
叶「はい……」
吉「それでは、契約の印を」
 叶女が戸惑った表情をこっちに向けた。
 そういや、契約の印について説明してなかったっけ?
叶「契約の印って?」
吉「自分の指の腹を切って血を出せ。
  その血で巻物の円の縁をなぞり、円の中に何を払うかを書け」
 叶女は一瞬顔をしかめた。それでも一瞬だ。
 すぐに、指の腹を噛み切って血を出した。
 契約の印を書いてる最中はずっと顔をしかめっぱなしだった。
 そりゃあ痛いだろうな。巻物に血を吸われてるんだ。
叶「終わったわよ」
吉「よし」
 後は簡単だ。契約の印を書いた巻物を鉄にくるみ、
 そのまま高温の炎の中に入れる。一時間くらい。
 その間中、契約主は炎に血を捧げ続けなきゃならない。
 だから、叶女は一時間ずっと炎に手をかざし続けたわけだ。
 熱いうえに、痛いし苦しいしで大変だったろうな。ご苦労さん。
 契約が終了したとき、叶女の手はそれなりに焼けただれていた。
 まぁ、一週間くらいで治るだろう。
 鉄との契約で得られる力はすごいからな。   

シンタロウ

2010/12/19 12:56:44 [942]

第五話・続
吉「最後まで聞け。
  鉄との契約で手に入れられる力を己の欲望を満たす為に
  使おうとするな。身の破滅を招くだけだ。
  契約した鉄で作ったモノは滅多なことで削れたりはしない。
  もし万が一、削れたりするようなことがあったら、破片は拾え。
  再び再生させることができる。
  最後に一つ…俺は、お前の「村のために」という気持ちを買って
  作ることにした。決して人を裏切るな。
  裏切りは、人間として最低な行為だ。よく覚えておけ」
女「分かったから。早く作ろうよ」
 こいつはしっかりと理解していない…と思う。
 それでも、こいつの「村のために」という気持ちは嘘ではないだろう。
 こいつの目がそれを物語っている。
吉「それでは鉄と契約を交わす。
  お前は鉄に、何を代償として払う?」  

シンタロウ

2010/12/18 18:35:25 [681]

第五話〜村のために〜
 女が言うには、去年の暮れ頃に村を山賊が襲ったらしい。
 それも大人数で…。もちろん村は乗っ取られた。
 それ以来、山賊が村から少し離れたところに城を建て、
 村人に年貢と称して多額の金を納めさせてるらしい。
 んで、それが最近になって急に額が値上がりした。
 村人は払うのが精一杯で、その日の食料にも苦労し、
 餓死するヤツが出てきた…。もちろん払えなかったら、
 待っているのは「死」だ。
 その女曰く、その山賊を倒したいらしい。村から出て行けば
 とも思うが、先祖代々受け継いできた土地を手放すわけには
 いかないらしい。くだらねぇ意地張って、耐えてるんだと…。
 バカだねぇ。バカでアホで、それでもってどこまでも真っ直ぐで、
 俺は嫌いじゃないね。むしろ好きになった。
 力を貸してやろうじゃないか、この女に。村のために命をかける
 って言ってんだ。そこまで言うヤツを見捨てるわけにはいかない
 ねぇ…俺の名がすたるからね。
 俺と女は次の日、村の鍛冶屋に集まった。
女「用意はいいわよ」
 女は腕まくりをしながら言った。気合いが入りすぎ…。
吉「もう一度言っとくけど…
  契約には、お前の体の一部が代償として支払われる。
  そして、その価値に相当する力がお前に与えられる。
  契約した鉄はお前の意志通りに動くようになる。
  これは、実際に体験した方が分かりやすいだろう。
  契約は、契約した鉄で作ったモノが壊れるまで、または
  契約主が死ぬまで破棄されることはない。
  ただ、軽く削れたりするだけじゃ壊れたことにはならない。
  真っ二つになった時、初めてこ壊れたことになる」
女「分かってるわよ。そんなこと」
 本当に分かっているのだろうか?激しく不安だ……。  

シンタロウ

2010/12/18 18:4:31 [224]

第四話・続
 女は驚いた表情をした。俺だって驚いた。
 出会って間もないこの山賊女に対して、悲しむなんて言葉が出てきて
 しまうなんて…俺はバカか?
 俺と女は互いに見つめ合った……。
 互いの深層心理を探るわけでもなく、ただ見つめ合った。
 どのくらい経っただろうか、女がふいにうつむいた。そして…… 
女「本当に言ってるの?本当に私が死んだら悲しむの?」
 どうだろうか…?さっきは口が勝手にしゃべっただけで、
 俺の意志では無い……と思う。
 でも、この場の空気はYESと言えって言っている……。
吉「ああ、俺が泣く」
 言っちゃった…。まちがいなく面倒なことになるな。
女「じゃあ……じゃあ私を助けて!」
 ほらな。言った通りだろう?
 まぁ、それも運命というのならそうなんだろうな……。
 付き合ってやろうじゃないか!この女の抱える面倒事に!  

シンタロウ

2010/12/18 0:50:52 [469]

第四話〜
 はぁ?
 力をくれだって?つまりは、俺に武器を作れってことだろう?
 なぜ俺がそこまでやらなきゃいけない。
 さんざん人に迷惑をかけておいて、今更それはないだろう。
吉「どうして作らなきゃいけない?さっきまで人のことを散々コケ
  にしておいて、今更作ってくれだって?笑わせんなよ!」
 怒った。そりゃあ怒るだろう。理不尽にも程がある……。
女「いいじゃない!お願い!私に力を頂戴!」
吉「いい加減にしろ!」
女「何でよ!何でなのよ……。お願いします……私に、力をください」
 女が泣き出した。めんどくさいヤツだ。泣いたり、怒ったり……。
吉「あんたさ、どうしてそこまで力が欲しいの?俺の話聞いてた?
  自分のこと犠牲にしなきゃいけないんだぜ?」
 バカだ。バカすぎる……。
 わざわざ自分を犠牲にしてまで、どうして強くならなきゃいけない?
 権力が欲しいから?大事な人を守りたいから?
 たとえ……例えそこにどんな理由があったとしても、それを許しては
 いけない。力を与える側に選ばれた人間として、それを許してはいけ
 ないのだ……。
 俺は、力を得た人間がどうなるかを知っている……。
 ヤツらは皆、己の力に溺れ、さらなる権力を欲しいと願い、
 結果、人の世を不幸のどん底に落としてしまう…。
 俺は、人に力を与えることで、愛する人を失ったヤツを何人も知って
 いる……。
 俺は、そいつらが悲しみに暮れる姿を見てはいられなかった……。
吉「昔…、俺の知り合いが恋人に力を与えたんだ。
  やつは、恋人なら己の欲望のためには、力を使わないと思ったんだ
  ろう……。だけど、恋人は権力を望み、暴走した。結局、ヤツは自ら
  の手で恋人を殺した……。
  ヤツは言ったよ……“大事な人を失いたくなきゃ、力を与えるな。人
  は簡単に鬼に変わる”ってな……」
 結局そいつは、恋人を追いかけるように、自らの命を絶った…。
女「私には関係ないわ。私には……私を大切に思ってくれる人なんて誰
  もいない。私が死んでも、誰も悲しまないわ……」
吉「俺が悲しむ……」 

シンタロウ

2010/12/16 22:6:53 [383]

吉「泣かないよ。俺は強いから……たぶん」
 そう言いながらも、俺は後でしっかりと泣いた。
 もう二度と泣くことのないように……。

美璃さんありがとう^^
あなただけが頼りだよぉ〜(>_<) 

美璃

2010/12/16 19:42:18 [750]

| |ω・`)キタヨ| |´・ω・`)キタヨ| |(+・`ω・´)キチャッタヨ♪
否定されてる・・・wそうゆう時はこう言うのだ!σ(TεT;)ナイチャウヨ・・・
アゲ 

シンタロウ

2010/12/16 18:32:10 [276]

第三話〜刀の目〜
 だから言っただろう?俺にたてつくなって、
 ケガするだろうって。心の中でだけど。
吉「お〜い、生きてるかい?」
 きっと大丈夫だろう。それほど憎んではいなかったし、
 殺したいと切実に願っていたわけでもなかった。
 まあ、数時間くらい気絶する程度で済むだろう。
 俺は、洞窟に手を伸ばし、取り忘れがないか確認した。
 何もない…。結局、俺の手元に残っていたのは愛用の刀
 だけだった。
吉「あいつらめ…」
 しょうがない。無いモノはどうしようもない。諦めて旅を続ける
 しかないみたいだ。
 俺は刀に布を巻き、立ち去ろうと女の横を通り過ぎた時だった。
 女はおびえた目を俺に向けて、聞いてきた。
女「ねぇ…あんた、いったい何なの?」
 そんな目で見んなよ…。俺はお化けじゃねぇんだからよ…。
吉「何って、人間ですけど……」
女「そんなこと聞いてないわよ……。
  何で兄さんたちが負けるのよ…」
 兄さん…?山賊のことか…。似てねぇな。
吉「何でって言われても…」
女「その刀ね?その刀に何かあるのね?」
吉「いや……ただ俺が強いから」
女「そんなわけないでしょ!教えなさいよ!その刀は何なの?」
 勘の鋭い女だ。と言うか、俺のこと否定すんなよな…。
 しょうがねぇ…教えるか。減るもんじゃねぇしな…。
吉「はぁ、よく聞けよ。俺の…つまり、吉招寺家には代々、秘伝の
  製鉄法が伝わっているんだ。己の体の一部を代償として鉄と
  契約を結ぶ。すると、鉄の内部に契約主の血管が張り巡らさ
  れ、鉄全体に血が流れることになる。結果、契約主の血が流
  れている鉄で作ったモノ…武器なり道具なりは、契約主の体
  の一部同然となり、自由自在に操ることが可能となる。さらに、
  契約主が払った代償の大きさの分だけ、より大きな力が得ら
  れるのも特徴だ。まあ、そんなところだろう。納得したか?」
 これ以上話す必要はないだろう。
 帰るかな……佐ノ助も待ってるし。
吉「じゃあな。あばよ」
 そう言って、俺は再び立ち去ろうとした。
女「待って!」
 またか……今度は何だ?面倒な女だ…。
吉「今度は何だい?」
女「私に…作ってよ!私に力を頂戴!」
 はぁ?  

シンタロウ

2010/12/15 17:29:56 [194]

第二話・続
 女は、村を出て森の中へ入っていく。
 どこまで行くつもりなのだろうか?
吉「まだ着かねぇ〜の?」
女「……」
 無言だ。佐ノ助じゃねぇんだから少しは返事しろよ。
 森の中をどこまでも進んでいく。
 そういや、佐ノ助のことを忘れていた…。まぁ、いいけど。
 ドンッ!!
吉「痛っ!」
 今日の俺はぶつかってばかりだ。
 女が急に止まったのに気付かず、思いっきりぶつかってしまった。
吉「あっ、悪いな」
女「ここです。あの中です」
 女はそう言って、目の前にある小さな洞穴を指さした。
吉「あれか……」
 俺は、洞穴に近寄り中に手を伸ばした。手に金属が触れた。
 その時だった、後ろで騒がしい声が聞こえた。
女「あんたって、つくづくバカね!さあ、お前たち!
  やっておしまい!」
 俺って本当にバカなのだろうか。どうやら罠に掛かったようだ。
 周りから次々と山賊が出てくる。
山「また会ったな小僧。だがよ、残念ながら、もう二度と俺たちは
  出会う運命にないみたいなんだよ」
吉「それはまた、どうしてだい?」
 俺はそう言いながら、洞窟にあった金属を手に取る。
 俺には分かっていた、それが刀だってことを……
山「どうしてかって?そりゃあ、お前が死ぬからだ!」
 そう言って山賊は一斉に飛びかかってきた。
 俺は刀を素早く取り出し、安全のために巻いてあった布を
 外す。「刀の目」と目が合い、意識が飛んだ……。  

美璃

2010/12/15 16:40:42 [590]

私にその女の人を奴隷として売ってくださいw
アゲ 

シンタロウ

2010/12/14 23:8:43 [597]

第二話・続
 ドンッ!!!
 何かにぶつかった。俺はその勢いでド派手に尻餅をついた。
 後ろから首根っこを捕まれる。
お「小僧、もう逃げられねぇぞ」
 荒い鼻息が聞こえてくる。どうやら、おっちゃんに捕まったみ
 たいだった。
吉「くっそ〜!誰だよ!いきなり入ってこようとするバカは!
  名を名乗れ〜!」
 逃げたい一心で闇雲に暴れてみる。
 無意味なことは分かってるけど…。
?「痛っ。誰よ!いきなり飛び出してくるバカは」
 店先から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
吉「あっ!お前!いつぞやの山賊女!」
 俺がぶつかったのは、道中であった山賊女だった。
女「!」
 女は、一瞬だけ目を見開くと、すぐに逃げ出した。
吉「逃げんなっ!!」
 俺は、必死におっちゃんの腕をふりほどき女を追いかけた。
 女もなかなか速い…だけど、俺の方が数段速い。
 俺は女の足を掴むと、ド派手に転ばせた。
 ドンッ!!
女「痛っ!!」
吉「もう逃げられねぇぞ。さあ、盗ったモノを返してもらおうか?」
女「何よ!もうちょっと優しくしてよね!
  女の子に暴力振るうなんて、最低よ!!」
 女が俺のことを睨みつけてくる。怖くはない…かわいい。
吉「何が、“最低よ!!”だ。人の物盗る方が最低だよ」
女「それで?私を捕まえてどうするつもり?
  奴隷として売るの?
  それとも、あなたのおもちゃにするつもり?」
吉「どうしよっかなぁ。奴隷として売ろっかなぁ…」
 俺が冗談でそう言った時、女の態度が急変した。
女「お願い…それだけはやめて!
  あなたの言うこと何でも聞くから!」
 何があるというのだろう?気になる…。
 だけど、ここで厄介事に巻き込まれたくない。
 ここはおとなしく……。
吉「何でもだな?よ〜し!俺から盗んだものを返せ」
女「はい…分かりました」
 女はそう言うと、歩き出した……。 

シンタロウ

2010/12/14 22:12:3 [887]

美璃さん、いっつもありがとぉ〜(>_<)
フッフッフ、実のところ・・・借金は返さないのだー!!
ワーッハッハッハ!!! 

美璃

2010/12/14 19:31:18 [236]

借金・・・・返すのつらいよ( ̄□||||!!
ファイトーー!( ゚ロ゚)乂(゚ロ゚ )イッパーーツ!!
アゲ 

シンタロウ

2010/12/14 18:27:45 [428]

第二話〜厄介事〜
 やられた…。やつらに全部持って行かれた。
 金も、飯も、愛用の刀も、金目の物は全て。
 残ったのは佐ノ助だけ…。
吉「あいつら…」
 女に抱きつかれた時と、山賊と向かい合っていた時、
 あの短い間に全部盗まれたのだった。
吉「どうすっかなぁ……」
 このままじゃ、もう何日も体がもたないだろう。
 いざという時のために残しておいた飯も盗られたし、
 金も無い。次の村までどの位かかるか分からない…。
吉「神頼み……だな。行くか!佐ノ助!」
 先を急ぐしかない。山賊もいたってことは、どこかに村も
 あるだろう。こういう時は前向きにいく。それが世の中の
 定石だ。それが、長生きするコツだ……たぶん。

 やっちまった……。これだけはやるまいと誓っていたのに、
 ついに、やってしまった。
 やっと辿り着いた村で、借金を作ってしまった。
吉「おっちゃん!頼む!今回は見逃してくれ!」
お「ダメだ、ダメだ!食った分はちゃんと払いやがれ!
  それが、常識ってもんだ!」
吉「じゃあどうすんだよ!
  金がねぇのにどうやって払えばいいんだよ!」
 分からず屋のジジイめ。
お「じゃあ、働いてもらうしか無いねぇ」
 勝ち誇ったように言いやがる。くっそ〜
吉「しょうがねぇな。こうなったら、選択肢は一つしかねえ…」
お「おっ、やろうってのかい?手加減はしねぇぞ」
吉「逃げる!!」
 俺はおっちゃんに背を向けて走った。
 逃げてしまえばこっちのもんだ。どうせ今日限りの村だ。
吉「あばよ!ごちそうさん!」
 そう言って店の扉を開けた時だった……。
 ドンッ!!!
              〜つづく〜 

シンタロウ

2010/12/13 22:25:2 [973]

ありがとうございます^^
時代設定は、結構昔なので
親しみにくいと思いますが、
今後も応援よろしくお願いします^^ 

美璃

2010/12/13 22:19:24 [409]

オモシロいですぉ
山賊&女はどこへ行った? 

シンタロウ

2010/12/13 22:9:21 [492]

第一話〜クソな出会い!!〜
 ドンッ!!
 何かが佐ノ助にぶつかり、俺はその勢いで転げ落ちた。
吉「いってぇ〜。いきなり、何だよ…」
 背中が疼くように痛い。
 背中をさすりながら顔を上げると、急に何かが飛び込んできた。
 甘い香りがする。良い匂いだ。
?「お願いします!助けてください!」
 女の声がした。甘い香りは女からだった。
吉「ちょっ、どうしたんだい?」
 俺が訪ねると、女はいきなり顔を上げた。
女「助けてください!山賊に追われているんです!」
 俺は固まった。結構可愛い…。
 俺は頭の中で必死に考えた。
 可愛い女→助ける→喜ばれる→愛が芽生える→キス
 よし!シナリオは完璧だ。
 俺は、女を佐ノ助の後ろに隠れさせると、山賊を待った。
 荒れた世の中だ。こんなこともあろうかと、俺は体を鍛えてきた。
 間もなくして、山賊が現れた。見た目は…汚い。
 ろくな生活はしてなさそうだった。
山「おい!兄ちゃんよ!おとなしく女を渡してくれねぇかな。
  悪いようにはしねぇからよ」
吉「渡したって、悪いようにするくせにぃ〜」
山「そんなことはねぇ。俺は約束は守る男だ」
 嘘をつけ。目が完全に泳いでるっての。
吉「じゃあ、渡しちゃおうっと!」
 俺はそう言って、佐ノ助に近づいた。異変に気が付いたのは
 その時だった。
吉「あっ、……女がいねぇ……」
 佐ノ助の後ろに隠したはずの女がいなかった。
吉「まさか……」
 後ろを振り向いてみる。案の定、山賊たちも消えていた…。   

シンタロウ

2010/12/13 17:46:48 [645]

プロローグ〜吉招寺 斤南(きちしょうじ きんなん)〜
「今日の空も青いねぇ」
 陽気な春の空の下、俺は馬に揺られていた。
 こんな気持ちの良い日には、何かが起きる。
 それが世の中の定石ってやつだ。
 ただ、田舎という土地柄だけに、人の気配は微塵もない。
 周りは木と草ばかり。こんな場所じゃ、世の中の定石も通じない。
「よう、佐ノ助。調子はどうだい?」
 答えは無い。当然だ。俺の愛馬の名前が佐ノ助だからだ。
 佐ノ助の背中に寝そべりながら、流れゆく雲を眺めながら
 旅をする。それが俺の日常だ。
 大きくあくびをする。良い空気だ、澄んでいる。
 俺が旅を始めたのは、15の頃。2年近く旅して歩いてる
 ことになる。きっかけは……忘れた。
 まぁ、そんなもんだろう?きっかけなんてどうでもいいんだ。
 好きに生きて、楽しく過ごせりゃそれでいい。
「なぁ、佐ノ助!そうだろう?」
「ヒヒィィ〜〜ン」
「そうかい、そうかい。お前も楽しいか!」
 今日の空は青い。こんなに気持ちの良い日は、何かが起きる。
 それが世の中の定石ってやつだ……。 

 
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