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Under of a Clock Tower...

ミオ No.116|2009/6/24 11:55:50

 高校2年の安西永斗と御伽眞弓には、普通ではない関係があった。
 純愛 School Love Story

 

ミオ

2009/6/26 17:1:46 [805]

コメントは2つですが、完了します。
ありがとうございましたm(_)m 

ミオ

2009/6/25 21:1:22 [478]

ありがとうございます。
次回作にご期待ください。(笑) 

†*†沙羅†*†

2009/6/25 20:54:25 [979]

面白ぃ↑↑
アゲアゲェ☆
更新頑張ってね!!!! 

ミオ

2009/6/25 10:0:1 [156]

ありがとうございます。 

青井海。

2009/6/24 17:24:47 [309]

面白かったです。
最初は真剣そのものでしたけど途中でどんどん違う方向に・・・w
永斗さんがなんかすごく可哀想に思えてきました・・・。 

ミオ

2009/6/24 14:29:9 [320]

 どうでしたでしょうか?
 純愛には?がつきますが、永斗君の思いは純粋だったので・・・・
 まとまってなくてすみません。
 よかったら、感想やご意見などお寄せください。
                                   ◆完了◆ 

ミオ

2009/6/24 14:27:11 [89]

 後日、ジンクスの本当の意味が学校に知れ渡ることになる。
 ジンクスの適用は、禁断の恋つまり「生徒と教師」「男同士」「姉弟」だったとか。
                                                     そんな話をしながら、 眞弓と蒼衣と薫は、永斗を見てくすくすと笑っていた。 

ミオ

2009/6/24 14:23:26 [61]

 時刻は6時2分。
 ジンクスの時間は過ぎた。
 しかし、二つのシルエットが玄関ホールに残されていた。
「やっぱり男だった。」
 薫が楽しそうに言った。
「まぁ、大会でてるの見たことないしね。」
 薄々感じていたという風に蒼衣が応える。
「女子にしては運動神経よかったし。」
「でも、体弱いのはほんとだろ。いつでも薬持ってるし。」
「案外ビタミン剤かもよ。」
「てか、弟に恋する兄って。」
「俺も、弟だとは思ってなかった。」
 蒼衣と薫がくっくっと顔を見合せて笑った。
「じゃあなんで怖がってたんだろう。」
「近づかないためとか?」
 蒼衣と薫が頭を悩ませているとき、同じように永斗も悩ませていた。
「もっとはやく言えよ。男に、しかも弟に告白するとこだった。」
「だって楽しかったですから。それに、ちゃんと遮りましたよ。」
 眞弓が男子にしては高い声でくすくすと笑った。
「帰ろうか。」
「はい。あの2人も一緒に。」
 にこっと笑った眞弓は、蒼衣と薫に手を振った。 

ミオ

2009/6/24 14:11:14 [267]

「あのさ。付き合っ」
「ねぇ。安西さんのお母さん、藤堂真理子ではないですか?」
 珍しく、眞弓が永斗の言葉を遮った。
「うん。そうだよ。」
 永斗は困惑しながらも応えた。薄暗いためだろうか。眞弓がにやりと笑ったように見えた。
「いいことを教えて差し上げます。御伽は、本当の姓ではないのです。養子として引き取られた家の姓です。」
「・・・・・・えっと?」
 眞弓が急に話し出したことに理解が追い付かなくて、永斗は間抜けな声を出した。
「安西さん。あなたに兄弟は?」
「いるよ。正しくはいた。双子の弟が養子に行った。」
「そうですか。」
 今度は間違いなく眞弓がにやりと笑った。
「何が言いたいんだ?」
「あなたの目の前にいる人物が女だと、言い切れますか?」
「あたりまえだろ。御伽眞弓は女だ。姓が違っても性別は違わない。」
「固定観念とは恐ろしいですね。」
 眞弓がはぁと残念そうにため息をついた。
「何言って・・・・・・」
「僕は、あなたの弟です。安西さん」
 眞弓がにこりと笑って、シャツを脱いだ。 

ミオ

2009/6/24 13:54:16 [339]

 時計台にはジンクスがあった。
 午後6時。時計台は、ちょうどその時間に文字盤が光る。
 文字盤が光るのと同時に、時計台の真下。玄関ホールで告白すると、うまくいくという。何ともメジャーな噂。
 ここ最近では、噂部とも呼ばれる文芸部ぐらいにしか知られていなかった。
 それでも、やはり高校生の力は恐ろしい。
 一度でもうまくいったといううわさが流れると、次の日からは、たくさんの挑戦者があふれかえる。
 しかも、そうなると周りの雰囲気に流されて、おもわずOKしてしまうという、呪いのような効力まで付く。
 薫から聞いた永斗は、ばかばかしいと思いながらも心の底には、信じたいという気持があふれていた。
 だから今こうして、彼女の前に立っている。 

ミオ

2009/6/24 13:45:52 [607]

 永斗と眞弓が一緒に帰る日が一週間も続いたころ、永斗は蒼衣に告白していた。
「眞弓に告白する。」
「やめといた方がいいと思う。」
 たいして蒼衣の答えはさめていた。しかも即答。
「なんで?」
「眞弓は、怖いから断れなくて一緒に帰ってるだけの可能性がある。」
「そっか・・・・・・」
「でもいいんじゃない?俺には関係ないし。」
 蒼衣がどうでもよさそうに、時計台を見上げた。
 この学校には、街のシンボルとも言うべき時計台があった。
「そういえば・・・・・・」
 蒼衣がふと何かを思い出しとようにつぶやいた。
「薫がなんか言ってた気がする。時計台にまつわるジンクス。」
「ジンクス?」
「俺は、知らない。というか覚えてない。」
 ふぅんと何か考えるように永斗が返事をした。
 その様子を見て、蒼衣がにやりと笑ったのに永斗は気づかなかった。 

ミオ

2009/6/24 13:37:41 [214]

現実はこうだ。
 昨日、眞弓が残って片づけをしていたのも、男子部室を訪れたのも偶然ではなかったのだ。
 今週の片づけ当番が、眞弓であることと、相方が蒼衣であったために、必然的に訪れることとなっていたのだ。
 知らなかった薫も、昨日のうちに蒼衣に聞いて事情を知っていた。
 蒼衣と、薫の愉快犯的な計画によってつづられたエピソードどおりに、眞弓も永斗も動いていた。
 眞弓はうすうす気づいているが、楽しそうなので乗っていた。
 もちろん、永斗は気づいていない。 

ミオ

2009/6/24 13:31:1 [199]

「それは、期待してもいいんじゃない?」
 永斗と蒼衣は男子トイレで話していた。
 いつもはギリギリに登校してくる蒼衣を朝早くに呼び出して、話している。
「そうかな?」
「今日もさそえば?」
「え!!」
 永斗の声が思わず大きくなる。しかも裏返った。
「じゃあ、俺課題する。」
 蒼衣は、興奮ぎみの永斗をおいてさっさと教室に帰ってしまった。
                                                    
「なんであいつテンション高いんだ?」
 教室で、いつもより明るめの挨拶を永斗からもらった薫が蒼衣と眞弓に話しかけた。
「さあ?」
「いつもあんな感じじゃない?」
 蒼衣は意味深な返事。眞弓は、適当に応えて、もくもくと課題を続ける。
「課題なんかいいよ。」
 口を膨らませた薫に、眞弓と蒼衣が苦笑する。
「お前が写させろっていうからやってんだけど・・・・・・」
「薫くん自分でやらないでしょう?」
「ごめんごめん。」
 あははと悪びれた様子もなく薫が謝る。
「はい。」
 眞弓が古典のプリントを薫に渡した。
「サンキュ。椅子半分借して。」
「自分の席行きなよ。」
 言いながらも、眞弓は薫が座る分だけスペースを空ける。
「お前ら・・・・・・兄妹みたい」
『どこが!?』
 薫と眞弓の声がかぶる。
「そういうとこ。」
 蒼衣が楽しそうにほほ笑んだ。
「あ、眞弓。今日も部活の後残っといてね。」
「はいはい。」
 眞弓が面倒そうにした返事を。薫と蒼衣が笑ってみていた。
 

ミオ

2009/6/24 13:13:27 [284]

 どうしてこうなったのか。永斗と眞弓は一緒に歩いていた。
 眞弓が歩きだったので、永斗は自転車を押している。
 二人乗りを進めたのだが、丁重に断られてしまったのだ。
 もちろん、違法だからなんて真面目な理由ではなく、単純に眞弓が永斗に触れるのが嫌だっただけだろう。
 そこまで考えて、永斗は自分の考えに落ち込んだ。
 永斗が前を向いたまま苦笑いを浮かべて言った。
「ごめんね。わけわからんことして。」
「大丈夫です。」
 首をふるふると横に振って眞弓が答える。いつでもそう。眞弓は「大丈夫です。」という。ここでも、少しだけずれた答えになっているのだが、眞弓に気にした様子はない。
「あのさ、なんで敬語?」
 永斗はいつも思っていいた、けれどここでは聞く必要のないことを尋ねてみた。
 眞弓は、首をかしげて、少ししてから答えた。
「癖です。」
 それ以外の何でもないという風に眞弓が答えた。
 永斗は眞弓ことを何も知らなかったが、クラスでの所作や、雰囲気から、高貴な家柄なのだろうと何となく思っていた。
 だから、敬語が癖であっても違和感を感じない。
「俺のこと嫌い?」
 永斗はふと質問した。
 後になって思い返せば、赤面もののセリフだ。きっと、薄暗くなった夜が、永斗を大胆にさせてくれたのだ。
「好きです。」
 凛とした声が、響いた。それが、眞弓から発せられたのだと永斗が気付くのに、少し時間が必要だった。
「え?」
 驚いて、永斗が眞弓の方を見ると、まっすぐな瞳と目が合った。
 眞弓は、いままで永斗と目を合わせようとはしなかった。
 その目が、今はまっすぐ永斗に向けられている。
「好きです。」
 もう一度眞弓が言った。
 ふわりと眞弓が微笑んで、駅の改札を抜けた。
 

ミオ

2009/6/24 12:56:33 [436]

 それ以来、眞弓の「安西さん克服計画」が決行されたのだが・・・・・進展のないまま今に至る。
 もう、出会ってから一年以上過ぎた。
 いい加減なれてもいいころだと永斗は思う。
「で、どうしたいわけ?」
 部室でうじうじしていた永斗を見かねて、蒼衣と薫が相談に乗ってくれた。
 とはいっても、薫は帰ろうとしているし、蒼衣はかたちだけ聞いているので、相談とは言い難いのだが。
「眞弓と話したい。」
「話してるやん。」
「だって、敬語・・・・・・。」
「俺らにもそうだし。薫は違ったかもしれないけど。」
「この間は、後輩にも使ってた。俺は去年同じクラスだったから違うけど。」
「でも・・・・・・」
「だったら本人と話せば?」
 帰ろうとして、ドアを開けた薫がドアの前から離れると、荷物をたくさん持った眞弓がそこに立っていた。
「体育館に置きっぱなしでした。」
「御苦労。マネも大変だね。」
「マネージャーじゃないし。薫くんがやったら?」
「俺は人のために動かない主義だから。」
「自分のためでもあるんだけどね・・・・・・。」
 眞弓は、薫と軽口をいあって荷物を置いて出て行こうとした。
「眞弓。」
 気がつくと、永斗は声をかけていた。
 びくっと肩を震わせて眞弓が立ち止まる。
「駅まで行くよね?ちょっと待ってて。」
 眞弓がうなづいてから何かに気づいたように歩きだした。
「荷物取ってきます。」
 それだけ言い残して、更衣室の方へ走って行った。
 

ミオ

2009/6/24 12:38:38 [577]

 永斗と眞弓は、同じ部活に所属している。
 今年から永斗が部長になって、体力トレーニング中心のメニューを取り入れた。ダッシュがメインのトレーニングで、それを聞いた時、眞弓は顔をしかめた。
 
 眞弓は、体が弱い。本当は、運動部に所属することもよくないらしい。
 それでも続けているのは、どうしてなのか。
 前マネージャーをすすめられて、断っていたのを見たことがある。好きだから続けたい。といったときの笑顔は、輝いていた。
 その笑顔が永斗に向けられることはないのだが・・・・・・。
 そう。
 永斗は眞弓に怖がられているのだ。
 同じ部活で活動してきて、あれ?と思うことはあった。それが確信に変わったのは、1年の夏休みにあった部活の合宿。
 夕食のときに名前を呼んだのだ。ただそれだけ。
 しかし、眞弓は動揺してむせて、はしを落した。
 周りは笑ったのだが、笑い事ではない。
 ショックだった。
 しかもかなり・・・・・・。 

ミオ

2009/6/24 12:19:33 [614]

 安西永斗は、クラス名簿を見て絶句した。
 自分の七つ下。出席番号8番に続く名前。

 御伽眞弓

 呆然と立ち尽くす永斗の後ろに、いつの間に来たのか眞弓が立っていた。
「おはよう。」
 苦笑いを浮かべて挨拶をした永斗に対し、眞弓の方はいつもと変わらない様子で小首をかしげている。その顔に表情がないのは、考え事をしているときだというのを永斗は知っていた。
「おはようございます。」
 やや間を空けて眞弓が挨拶をした。
 少しだけ困ったように、不安そうに顔をゆがませる。たぶん無意識にだ。
「同じクラスだね。・・・・・・あ、お前の後ろ蒼衣だ。薫もいる。」
 永斗は何食わぬ顔で、話を続ける。
 本当は、混乱している。
 平常心などかけらもない。
 しかし、何を思っていようと、決して表にはださない。それが人間関係をスムーズに進めるコツである。少なくとも、永斗は今までずっとそうしてきた。だから、ここでもそうした。
 たいして眞弓は、何の反応も示さない。興味がないとゆう風を装って、しかしそこから動こうとはしない。それは、永斗も同じなのだが。
 理由は違えど、永斗と眞弓はここから動けなかった。
 二人の関係を知らない新しいクラスメートが、二人を不思議そうに眺めて教室に入って行った。 

 
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