2010/9/6 19:10:29 [351]
2010/9/6 19:9:56 [289]誰も来ないので、完了します。
2010/9/4 17:47:58 [693]age☆
2010/9/3 23:5:59 [975]age☆
2010/8/31 13:38:34 [344]十七歳になった拓真は、もうすっかり病気も完治して・・・ いるはずもなく、拓真に無視されることに、私が慣れるはずもなく、 この息苦しさにいつもとまどう。 「初心者コースでしか滑れないけど、子供の頃から好きだったからスキー楽しみでさ」と拓真が嬉しそうに言ってる姿が見える。 体のことを考えれば、スキーなんてやらないほうがいいのに。 でもあの笑顔を見ていると、心臓が悪いんだなんて全然見えなくて、少しほっとする。 このスキー合宿では絶対に拓真としゃべる!! そう決めてきた。 あ、今目が合った。 絶対合った。 なのにそらされちゃった。 いつもの事なのにやっぱりショック・・・ ショックでショックで、え・・・うそ・・・何? なんで景色が動いてるの? 「きゃっ」 もうダメだ・・・って思った瞬間だった。 ふわりと体が軽くなる。 「そういえば、繭はスキーやったことなかったっけ?」 ・・・拓真!? 気づけば、後ろから拓真が私をくるりと包んでいてくれた。 「繭にも苦手なことあるんだな・・・」 耳元d拓真が言う。 拓真・・・こんなに大きかったっけ? また背、伸びた? 拓真の懐かしい匂い・・・ ドキドキして・・・ 拓真の優しさに涙が出る。 必死にばれないようにしていたが・・・ 「なんで泣いてんの?」 なんで・・・? そんなの言えるわけ・・・ そのときだった。 「俺が嫌だったよな・・・ 昂サマがよかたよな? ごめん・・・」 昂サマ・・・ 懐かしい名前・・・ 昂サマは私の元カレ・・・ 違う・・・ 「ごめん・・・ 俺もうお前の前に姿見せねーから」 そういって拓真は去って行った。 違う。違う違う!! 拓真を追いかけようとしても、雪のせいでうまく前に進めない・・・ しだいに拓真のすがたは見えなくなって・・・ 私は拓真に何も言えずそのまま座り込んでしまった。
2010/8/24 17:28:50 [6]第二話*繭の想い*前半 拓真からサヨナラを言われたのは、十三歳の夏だった。 「今まで、ありがとう。繭」 そう言って、背中を向けて歩いていった拓真の後ろ姿。 これからも、もっと背が高くなって、背中も広くなって、大人になって、 宇宙飛行士にだって何にだってなれそうな拓真。 拓真が私から離れていくのは、もうこれで二度目だ。 一度目は、私の側にいちゃいけないって勝手に思い込んで、 こそこそ全寮制の中学を受験したとき。 バカ拓真。私から離れようなんて、百年早いのよ!! あの時は、そう思って、必死に勉強した。 むこうが内緒なら、こっちだって入学当日まで内緒。 入学式で、新入生代表のあいさつをした私わ見つけた拓真の驚いた顔。 面白かったな。 実は私もしばらくはびっくりしたんだけどね。 拓真は金髪になっていたし。 それに、やけに明るくてつまらない冗談ばかり言って、へんなの。 きっと、変わりたくて、無理してるんだよね? そんな幼稚なことも、私にとっては、大好きな拓真。 同じ学校まで追いかけられちゃったら、きっと諦めて、 昔みたいに仲良くなれるだろうって思っていた。 でも、結局なにも変わらなくて、拓真は私をさけてばっかり。 それでも私はめげないで拓真を追いかけた。 あの夏、はっきりとサヨナラを言われる日まで。 「俺、本当は今までずっと辛かった。 繭のこと守りたいのに、俺の体こんなんだから・・・ できなくて、・・・悔しくて・・・」 拓真はあの時言った。 ねぇ、拓真。本当にサヨナラなの・・・? 時間は過ぎていくのに、私はあの日みたいに、 ただただアナタの背中を見つめるだけ・・・。 秋になって・・・ 冬になって・・・ そうやって何年も経って・・・ 私たちは高2になった。
2010/8/23 19:33:19 [524]第一話*エピソード* 僕の人生にはタイムリミットがある。 もちろん誰の人生にもタイムリミットはある。 生きていればいつの日か、終わりが来て・・・。 大切な人と・・・。 世界一愛しい人と・・・。 サヨナラしなければならない日が、誰にだってやってくる。 僕にはそれが、人より早いだけってこと。 でも、僕は、自分を不幸だって思ったことはないんだ。 だって繭と出会えたからね。 気が強くて、わがままで、やんちゃな繭。 笑った顔はとびきり可愛くて・・・あきらめることが大嫌いで・・・。 その強さに、僕は憧れて・・・。 「大人になったら、ぼくのおよめさんになってください!」 八歳だった僕は、月明かりに照らされたクローバーの絨毯の上で、 ドキドキしながらぎこちなくキスして、繭にそう言った。 「二十歳になったら、絶対よ!約束破ったらしょうちしないんだから!」 繭は言ってくれた。 繭は、あの時も泣いていたね。 僕が君の涙の意味を知るのは、そのもっと後だった。 あの時、僕はこんな病気治るものだと信じていたんだ。 君と結ばれる未来を信じていられた。 そんな無知な僕のために、繭は必死で四ッ葉のクローバーを探しながら、 言ってくれたね。 「タクマを宇宙飛行士にしてください。絶対に宇宙飛行士にならないとだめなの!」 宇宙飛行士なんて、僕にとっては、たいした夢じゃなかった。 宇宙飛行士なんてなれなくてもいい。 繭が僕のお嫁さんになってくれたら・・・。 繭とずっと一緒にいられたら・・・。 それだけでじゅうぶん。 そう思っていた。 だって知らなかったんだ。 繭のこと、好きになっちゃいけないって。 好きになっても無駄だって・・・。 僕は、最低な約束をしてしまった。 守れない、約束をしてしまった。 だって僕は、二十歳まで生きられない。 大人になるまで、僕の心臓はもたない。 大人になれないんだ。 なのに、僕は君に恋をしてしまった。 僕の一生ぶんの恋。 僕の最後の恋。 それが、僕の初恋だった。
2010/8/23 19:3:58 [399]登場人物: 種田 繭(たねだ まゆ)→繭の初恋のお相手 垣野内 拓真(かきのうち たくま)→拓真の初恋のお相手 鈴谷 昂(すずや こう)→繭の先輩で一応彼氏だった人 *その他いろいろ人物が登場しますが、気にせずに☆ では、スタート!!
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