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【小説】願望少女。

イサ No.1103|2010/7/29 11:32:29

いつも暇人な私なので、小説第2弾を投稿させていただきました。
いじめ・ホラー系ですが、人によっては「怖くないよ〜」と思う話です。
【主な登場人物】
・遠藤 梨子 (えんどう りこ)♀ 高校1年。気が強い。
                   運動神経はいいが、学力はイマイチ。
・神威 翼 (かみい つばさ)♀ 高校2年。いつも静か。
                   学力はとても良く、美人。
・笹森 圭也 (ささもり けいや)♂ 高校1年。活発でうっかり屋。
                   学校はほとんど欠席している。
・川村 陸斗 (かわむら りくと)♂ 高校1年。クールで真面目。
                    学力は常に学年トップ。
・堀河 崇 (ほりかわ たかし)♂ 高校3年。とても明るい。
                    大阪出身なので、関西弁が癖。
 〜非日常的物語ですが、最後までお楽しみ下さい〜

 


        上げ

イサ

2010/8/29 15:57:51 [818]

第31話
 ミサの話の中で、妙なことが3つある。
 一つは梨子が特殊能力を持っていることに気付いていた。
 二つ目は梨子が産まれるまえから梨子の存在を知っていた。ミサは、外見でも20歳はいっているはずだ。
 そして、三つ目は知り合いを学校に勤めさせたこと。今年で高校に上がったばかり。でも先生に新任はいなかった。梨子が違う学校に行っていれば、梨子の監視は出来ないはずだ。
圭「梨子、耳貸せ。」
 圭也は、ミサの妙な点3つを話した。
梨「・・・あぁ。確かに。」
ミ「・・・?」
圭「ミサさん、嘘はやめてくださいよ。」
ミ「嘘?嘘なんて吐いて・・・」
梨「それ自体嘘でしょ。全部嘘、嘘!嘘ッ!」
 梨子がミサに顔を近づける。
梨「本当のこと、話しなさいよ。時間の無駄なの。」
ミ「・・・」
梨「教えてくれるって言うから聞いてみたら、こんなふざけた嘘?」
ミ「・・・っさい」
 ミサがズボンのポケットに手を入れる。金属音がした。
圭「梨子!離れッ・・・」
 銃声が響いた。
ミ「聞いて駄目なことは、無理矢理聞くもんじゃないわよ!」
 梨子が腹を抑えたまま立ち竦む。
ミ「真実なんて誰も分からないでしょ?なのに嘘と言い張る証拠はどこに?」
 梨子がうつ伏せに倒れこむ。アスファルトに広がる赤。
 やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろヤメロ!
圭「やめろッ!」
 ミサが拳銃を圭也に向ける。
ミ「え?何?一緒に死にたいって?」
 ミサがゆっくり微笑む。圭也の足元まで広がる赤。生臭い世界。
 違う。こんなことになってはいけない。
ミ「じゃ、特別に殺してあげよっか〜」
 違う。全部嘘だ。死にたくない。なにか間違ってる!
ミ「死ぬ覚悟は出来たの?」
 そうだ。今すぐ梨子を連れて逃げるべきだ。でもどうやって・・・
ミ「大丈夫?死ぬのが怖いの?」
 こんな状態の梨子を背負って街へ出たら、俺が犯人と勘違いされる可能性がある。
ミ「痛いのは一瞬だけよ。安心して?」
 ・・・頭が混乱する。落ち着け。落ち着いて答えを出すべきだ。
ミ「大丈夫よ〜警察は来ないようにしてるし。」
 そうだ。最も簡単な方法があったじゃないか。
ミ「三時ぴったりに撃ってあげる!あと1分〜」
 最も簡単な方法。
 ―殺人。
 ミサを殺して、警察に上手く話せばいいんだ。
 

イサ

2010/8/29 15:27:43 [117]

第30話
 ミサは少し険しい顔で梨子を見つめた。
梨「・・・なに?なんか文句あんの?」
ミ「・・・」
梨「・・・あっそ。じゃ、さよなら!貴方に用はないわ。」
 梨子が圭也の手を引いて歩きだす。
梨「正体非公開なら放っておきましょ。」
圭「・・・だけどよ。」
 圭也が手を離して足を止める。
圭「だけど、ミサさんは鬼について知り尽くしている。しかし鬼はお前が作り出したモンだ。お前が責任もって鬼を潰すために俺等を巻き込んだ。早く全滅させるにはミサさんの協力を得ないと・・・」
 梨子も足を止める。前を向いたまま言った。
梨「それは分かるけど、鬼について知り尽くして仲間が多くて、それでも正体を明かさないって、ヤバイんじゃないの?」
圭「それは、先生に聞けばいいだろ・・・?」
ミ「君達、そんなに疑ってるの?」
 圭也が振り返ると、真後ろにミサが立っていた。
圭「ミサさ・・・ッ」
梨「盗み聞きなんてセコイ手使うじゃない。」
ミ「ふっ笑わせないでよ。」
梨「・・・ま、話は早いわ。で、正体言いなさいよ。」
ミ「・・・そうねぇ〜。いいかな。教えても。」
 ミサが困り顔で俯く。梨子がミサを睨む。
ミ「驚かないでよ、逃げないでよ・・・?」
 ミサがため息を吐いた。
ミ「私はね、遠藤梨子を監視・調査するために日本に来たの。」
梨「ふぅん。・・・で?」
ミ「まだ聞きたいの?一応イングランド出身なんだけど、遠藤梨子を監視のために2歳から日本語だけ教わって・・・。」
圭「だからって日本語と英語が混ざってなくても・・・」
ミ「そう思うわよね。・・・で、貴方の学校に知り合いを勤めさせて、梨子を調査に出た。」
 いや、待て・・・?一つ妙なことがある・・・。
圭「ミサさん。なんで梨子の監視を頼まれたんですか?人間なんて腐るほどいるじゃないですか。なんで梨子が・・・」
ミ「遠藤梨子は、超能力を持っている。」
梨「そうじゃないでしょ、圭也。」
圭「あー、そうだ。俺が聞きたいのは、なんで梨子が産まれるまえから梨子の存在を知っていた?」
 ミサが圭也を見る。圭也の顔は冷静だった。 

イサ

2010/8/29 15:0:40 [678]

【独り言】
 そろそろ最終回にしないとね・・・w>(´`*中の人)
長すぎたよ全く・・・ッ!イサの中の人め!>(`´イサ)
いいじゃん〜自己満足小説でしょ〜?>(´`*中の人)
自己満足でスレ立てるとは・・・ッ>(`´イサ)
ま、とにかく続きをバ!>(´`*中の人) 

ちーちゃんX

2010/8/20 20:16:26 [708]

み、ミサは何者なんだぁ!! 

イサ

2010/8/20 19:4:56 [154]

第29話
 「協力者」と呼ばれた人達は、鬼に向けて何かスプレーらしき物をかけると、鬼は動くのを止めて、目をゆっくり閉じた。
梨「あれってなに・・・?」
ミ「あの薬の正体を教えちゃ駄目なのよ〜。」
 協力者達は、鬼の死体をチェンソーでいくつかに切り分けると、黒い袋に入れて車につんだ。協力者達も車に乗ると、車は猛スピードでどこかへ走っていった。
圭「協力者の正体って何ですか?」
ミ「それも教えちゃ駄目なんだけど・・・」
圭「俺達手伝ったじゃないですか。」
ミ「うっ・・・そうねぇ。教えてあげてもいいかなぁ〜。」
梨「ナイス圭也。」
 梨子が親指を立てて圭也へ向けた。
ミ「そんなに知りたいのかぁ・・・」
梨「そういうこと!」
ミ「・・・耳貸して・・・」
 圭也と梨子がミサに耳を向けた。
ミ「協力者の正体は・・・」
 ミサから零れた言葉に耳を疑った。
ミ「あなた達の学校の先生よ。」
圭「!?」
ミ「んー・・実はあなた達の学校の先生の6人は殺し屋。」
梨「さっきの8人のうちの6人ね。」
ミ「そう。で、残りの2人は情報屋ってこと。」
圭「奴らは鬼の正体を知ってるのか・・・」
ミ「YES!そうよ〜。あ、さっきの薬を作っているのは保健の先生!」
梨「保健の先生って誰だっけ・・・?」
圭「あの若い女の・・・。」
梨「ああ、上ヶ崎美恵(じょうがさき みえ)ね・・・」
ミ「Ms.Jogasakiは私の友人よ!」
圭「・・・そうなんですか・・・。」
梨「・・・で、ミサは何者?」
ミ「・・・」
 静かな風が3人を包んだ。 

イサ

2010/8/20 18:41:54 [263]

【コメント】
 読んでくださってありがとうございます!
 その・・・更新が遅れたのには訳がありまして・・・
   ネタが思いつかなかったんです!(殴
 まぁ、28話までぶっつけだったんで、29話も考えながら書きます!
 それでは29話を・・・!! 

siorin

2010/8/19 13:27:35 [503]

もう28話まで(;゜∀゜)!!
早いッッ
凄く面白いです~(≧∀≦)/ 

ちーちゃんX

2010/8/19 13:12:34 [422]

アゲ! 

ちーちゃんX

2010/8/17 12:28:17 [647]

協力者ってダレ!?ああ〜おもしろい〜! 

イサ

2010/8/17 12:17:5 [141]

第28話
ミ「お待たせ〜ッ!!」
 ミサがバイクに乗って猛スピードで向かってくる。
圭「ミサさっ・・・ごふっ」
 ミサが目の前を通り過ぎる。勢いと風圧が襲う。
 ミサのバイクが20m先で止まる。ミサが走ってくる。
ミ「スピード出しすぎちゃった〜♪」
圭「・・・で、何しに行ってたんですか・・・?」
 ミサが険しい顔つきで鬼を睨んだ。
ミ「私の協力者に、ジェットコースターの管理を頼んだの。」
 鬼がジェットコースターのレールを握った瞬間、ジェットコースターが勢い良く走り、鬼の手に衝突する。
梨「あ・・・鬼が・・・。」
 鬼が手を押さえて硬直した。ミサが腕で輪を作って空を見上げると、ヘリコプターから何かが落とされた。その何かが鬼に掛かる。
ミ「どう?鬼はしばらく動けないわ。」
 鬼は網に包まれて、足掻いていた。さらにヘリコプターは爆弾を落とす。
梨「鬼、今のうちに殺さないと・・・。」
ミ「ん?大丈夫よ。私の協力者達が処分してくれる。」
圭「協力者達って誰ですか・・・?」
ミ「後で分かるわよ!」
 その瞬間、黒いワゴン車が遊園地へ入り、梨子達の後ろで急ブレーキを掛けた。
ミ「じゃ、お願いね〜!」
 ミサが車に手を振る。車から、全身黒でヘルメットを被った大人達が8人程出てきた。 

イサ

2010/8/17 10:21:45 [461]

【コメント】
ありがとうございますッ!
皆さんのコメントが小説書きのパワーになります!
実は15話過ぎてから諦めてたんですけど
読んでくださる方々がいて、やっと27話いきました〜 

ちーちゃんX

2010/8/17 9:36:24 [505]

ミサさんって外人!?おおー、新しい展開♪ 

♪neko♪

2010/8/16 23:27:51 [610]

コメント有り難う御座いました
イサsの小説も面白いです。頑張ってください♪
 

イサ

2010/8/16 22:26:59 [696]

第27話
?『とりあえず鬼の足止め頼むわ!』
圭「どうやって足止めすればいいんだ・・・?」
梨「えーっと・・・そうねぇ」
 圭也と梨子がオドオドしていると、上から大声がした。
?『早くしなさいよっ!』
梨「無理っ!」
?『はぁ?聞こえない!』
 梨子が腕を交差してバツマークを作る。
?『今そっちに行くわ!』
 ヘリコプターがゆっくり下降してくる。鬼はジェットコースターを崩していく。
 ヘリコプターから、黒い服を着た金髪女が出てきた。
?「近くで見ると美人ねぇ、あなた。」
梨「・・・名前は?」
?「Oh!忘れてた。私はミサ。」
梨「あたしは梨子。」
圭「俺は圭也だ。」
ミ「Nice to meet you.・・・さて、雑談は後にして奴を潰すわよ。」
 ミサが黒い手袋をはめる。
梨「どうやって潰す・・・?」
ミ「そうねぇ。お姉さんに任せて!」
 ミサが携帯電話を片手に駐車場に行く。
ミ「・・・急いで!時間がないのよ。」
圭「ミサさん!俺達は・・・」
ミ「あ、君達はそこで待機!ちょっと待っててね♥」
 梨子は、小さくなっていくミサの背中を見つめていた。 

イサ

2010/8/16 22:5:49 [430]

【コメント】
読んでくれてありがとうッ♥
「?」の正体は・・・エフンエフン!
       それでは続きをドウゾ〜☆ 

ちーちゃんX

2010/8/16 21:34:17 [777]

おお、イサさんがんばってるね〜?の正体はダレ!?
アゲしとくね 

イサ

2010/8/16 20:0:35 [691]

第26話
 人々が遊園地入り口に向かって、物凄い勢いで走ってくる。
梨「行くわよっ!」
圭「待てっ!梨子っ・・・」
 圭也が手を伸ばしても、いくら叫んでも、人塵の中消えていく梨子には届かなかった。
圭「いっ・・・どけっ!どけろってっ!」
 人塵を手で避けて、やっと抜けた。
 梨子の後姿が遠くに見えた。走って近づく。
圭「・・・梨子っ!」
梨「圭也、鬼。」
 梨子が指差す先には、あの鬼が立っていた。
梨「爆発音の原因は鬼ではないみたい。」
圭「鬼は何もしてないってことか?」
梨「その通り。」
圭「じゃ、じゃあ、あの爆発音って・・・」
 梨子が空を見上げる。
圭「ヘリコプター・・・?」
梨「あれが爆弾を鬼に向かって落としたっぽい。」
圭「誰なんだ・・・?」
 ヘリコプターは次々と爆弾を落としていく。
梨「鬼、爆弾をちゃんと避けてる。」
圭「足止めしないと・・・っ!」
 その時、どこからか声がした。
?『ちょっと!そこの二人!』
 梨子と圭也が同時に空を見上げる。
 ヘリコプターから、顔を出してメガホン片手に喋っている誰か。
?『そうそう!貴方達よ!手伝って!』
 梨子が腕で輪を作る。
?『Thankyou!』
 ヘリコプターが鬼を追いかける。
 

イサ

2010/8/16 10:35:4 [468]

【コメント】
 ちーちゃんXさん!ありがとうございます〜
感激!もうイサ感激だぁ(´ワ`。)
続き頑張ります^^ 

ちーちゃんX

2010/8/16 10:0:56 [1]

age イサさん♪来ちゃいました〜 面白いですね!!! 

イサ

2010/8/15 16:25:46 [410]

第25話
 梨子がこんなに悩むってことは、かなり深刻な話だろう。
圭「・・・言うのは後でにするか?」
梨「・・・うん。」
 圭也が立ち上がると、梨子も立った。
梨「ちょっと。ジュース買ってきなさいよ!」
 さっきまでの梨子とは全く違う態度。
圭「じゃ、金よこしな。」
梨「おごり。さっきレストランであたしが払ったもん。」
圭「・・・はいはい。」
梨「あたしここで待ってるから。」
 圭也は仕方なく自動販売機に向かう。
 戻ってくると、梨子がいなかった。
圭「・・・あいつ、また勝手に・・・」
 その時、携帯電話が鳴った。梨子からだった。
圭「梨子。あのなぁ・・・」
梨「ちょ・・・っ!早く来て!」
圭「・・・どこだ?」
梨「入り口!」
圭「・・・今行くから待ってろ!そこから動くな!」
 圭也は遊園地入り口へ向かって走った。
圭「梨子っ!・・・どうしたんだ?」
梨「・・・鬼・・・。鬼が来るの・・・!」
圭「なんで分かるんだよっ!」
梨「知らないけど、分かるの!」
 梨子の顔は正気だった。
圭「お前の願望能力でなんとかならないのか!?」
梨「短時間じゃ叶わないのよ・・・。」
 その時、遠くで爆発音がした。 

イサ

2010/8/15 16:10:59 [224]

第24話
 梨子はすっかり泣き止んだ。
梨「暇。」
圭「そうかい。」
 することもなく、ただ公園のベンチに座っていた。
梨「お腹空いたわ。何かないの?」
圭「何もないさ。」
梨「・・・ったくも〜!」
 梨子が立ち上がる。
梨「レストラン行くわよ。」
圭(なんて自分勝手な奴なんだ・・・)
   *
梨「早い。早すぎる。」
 梨子が圭也を睨む。
圭「いいから食べろよ。」
 梨子がハンバーグを食べ終え、水をコップ一杯飲み干す。
梨「・・・次どこ行く?」
圭「そうだなぁ。ここから近いって言ったら遊園地とか?」
梨「よしっ!遊園地で決まりね!」
 梨子がさっさと会計を済ませてレストランを出る。
     *
 遊園地。休日なので人が多い。
梨「・・・ちょっと、ベンチに座らない?」
圭「別にいいけど。」
 梨子が、また下を向いた。
圭「それは『言いたいことがある』ってポーズか?」
梨「・・・まぁ、そういうこと。」
圭「なんだ?」
梨「・・・やっぱ、言えないって・・・。」
 梨子がうなだれた。暖かい日差しが梨子に当たった。 

イサ

2010/8/12 21:38:12 [805]

【お知らせ】
 13・14日は都合上により来れません。
なので、第24話は延期とします。
代わりに次回予告。
【次回予告】
 真実を話した梨子。しかし、梨子はまだ伝えたいことがあると言う。しかし、なかなか話さない。一体、梨子の口から零れる本音とは―? 

イサ

2010/8/12 21:30:44 [286]

第23話
圭「言いたいこと、あるのか?」
 梨子が下を向く。
梨「言ったら、怒られる。」
圭「いいから、言ってみろ。」
 鳥の鳴き声にか聞こえなくなった。
梨「・・・実は、あの鬼・・・」
圭「あの鬼がどうした?」
 梨子がため息をついて言った。
梨「あたしが呼んだの。」
圭「・・・はぁ?」
梨「あたしが、願ったの。」
圭「戦いたいって?」
梨「そう・・・。」 
 梨子が空を見上げる。
梨「あたし、昔から馬鹿で、みんなに信用されなくて、誰かを傷つけて・・・。だから、みんなを守りたいって思ったの。」
圭「そうか。偉いな。」
 梨子が、目に手を当てて震えた。
 圭也は、半信半疑だったが、梨子が自分から話してくれたから、許してやろうと思った。
 

イサ

2010/8/12 20:26:15 [636]

第22話
 ―光。
圭(もう朝か・・・)
 着替えて朝飯を食べ、歯磨きをする。
圭(今日は梨子の野郎に呼ばれてるんだっけ。)
 のんびり靴を履く。
妹「お兄ちゃん!携帯電話忘れてるよぅ!」
 妹・美香が携帯電話を持ってきた。
圭「ああ、ありがと。」
美「お兄ちゃん、どこ行くの?」
圭「色々な所。」
美「ふぅ〜ん。いいなぁ。」
圭「小学生は勉強してろ。」
 圭也が立ち上がる。玄関のドアノブを捻った。
美「いってらっしゃ〜い。」
 ドアを開ける。
梨「やっぱ家の前まで来た。」
 梨子がいつものように険しい目げ圭也を睨む。
圭「・・・で、どこに行くんだ?」
梨「あんたが決めてよ。」
圭「お前から誘ったくせに・・・。」
 圭也が歩き出す。その後ろを梨子が追いかける。
圭「公園でいいな?」
梨「ふん、いいわよ。」
 公園に入り、ベンチに座る。
圭「・・・で、なんで俺を呼んだんだ?」
梨「えっと・・・あっ、何でもない!暇だったから。」
圭「なんか言いたいことあるのか?」 

イサ

2010/8/12 20:9:38 [248]

第21話
 携帯電話を握り締める。
 梨子に桜ヶ丘大学のことを聞こう。
圭(いや、待て・・・。そんなこと聞いたら、あいつは傷つくに決まっている。しかも、急に中学時代の話をすると怪しまれる。)
 圭也は、携帯電話をテーブルに置いた。
圭(梨子の為にも、聞くのはやめよう。)
 その時、携帯電話が着信音を鳴らした。
 ―1件のメール。
 ゆっくりとメールボックスを開く。
『差出人:梨子
  あんた明日は暇?』
 梨子からだった。カレンダーを見て、返信ボタンを押した。
『宛先人:梨子
  暇人ではないが暇だ。』
 送信ボタンを押す。20秒後にメール着信。
『差出人:梨子
  なら明日の午前10時に駅前に来なさい。
  あと、金も持ってくること!以上!』
圭(どっか行くなら行き先ぐらい・・・)
 返信しようとしたが、やめた。あいつのことだから、「明日のお楽しみ!」とか言うに決まってる。
 携帯電話を閉じ、テーブルの上に置いた。
 ベッドに転がり、目を閉じた。
      

イサ

2010/8/8 19:41:15 [252]

第20話
―夜、家で圭也は頭を抱えていた。
圭(それにしても、なんであいつがあんな点数を・・・)
 梨子が、1位になったことについて考える。
圭(あいつは前回最低位だった。それを悔やんで・・・?いや、あいつはこれまでも最低位だったし、今更悔やんでも意味がないと思うはずだ。急に勉強熱心になった?でもあいつが自主的に勉強なんて考えられない・・・。)
 ひとつ、思い当たることがあった。
 −いじめ。
 梨子は中学校の時、誰かに・・・。
    *
梨「返してよ!」
真「あははっ!馬鹿ね〜」
梨「いいから返して!」
真「0点だって〜!このテスト、コピーしてばらまいてあげる!」
梨「やめて!やめてよ!」
真「・・・じゃぁさ、返してやってもいいけど、ひとつ条件があるの。」
梨「なに・・・?」
真「ふふっ!それはね・・・」
    *
圭(そうだ。中学校の時のテストの点数を馬鹿にされて、返してもらった代わりの条件が・・・なんだっけな・・・。)
 ベッドに寝転がる。
圭(真・・・真希・・・。梨子をいじめていたのは、真希って名前の奴だったっけ・・・。そうだ、卒業アルバム!)
 机の棚から、卒業アルバムを取る。そこから、生徒の顔写真のページを開く。
 ―桐生真希。
 美人で、勉強も運動もなにもかも出来る奴だった。長い髪を頭の天辺できつく束ねたポニーテール。
圭(たしかこいつの志望校は・・・。)
 文集を開く。指でたどりながら読んでいく。
『・・・私は、今の学力を生かして第1高校へ行き、桜ヶ丘大学に入学することを決めています。・・・』
 桜ヶ丘大学。かなりエリートの大学だ・・・。
圭(もしかして、条件って・・・。)
  

イサ

2010/8/8 18:48:0 [668]

第19話
 人と人との間の抜けて見つけた。
圭「うわ・・・なんでこんなに集まるんだよ・・・」
陸「皆、成績を見るだけなのにな。」
 陸斗は、成績表から目を離さない。
圭「あぁ!?陸斗、お前・・・」
 いつも1位の陸斗が、2位だった。
陸「数学が95点だった。」
圭「は?なんで?」
陸「時間が余ったので教科書には載っていない解き方で答えを出そうとした。しかし、時間切れになったのだ。」
 圭也は、それを聞いてため息をついた。
圭「・・・実にお前らしいよ・・・。」
 圭也は、成績表に目を戻す。
圭「ところで1位は・・・」
 1位の名前を見る。心臓が痛む。
圭「は、はあ!?」
 1位は、梨子だった。陸斗を超えた人物が・・・。
梨「ふぅ〜んだ!あたしだって1位くらい取れるわよ!」
 圭也の右隣に梨子が腕を組んで立っていた。
圭「いや、あり得ない!俺二度見しちゃったぜ!?」
梨「ふん!アンタみたいに馬鹿じゃないの。」
圭「お前、頭どうにかした・・・?」
陸「確かに、梨子が急に天才に・・・」
梨「そう!天才になったの。称えなさい!」
 梨子は、満面の笑みだった。 

イサ

2010/8/5 18:15:16 [185]

【コメント】
siorin様>>
 エンジェルハント・・・分かりません。すいません。
「ステラス・キルワルス・ルーメン・スタビレム」は、本当に結界を張る呪文です。
悪い運が周りに来なくなります。
コメントありがとうございました。まだまだ(?)続くので、読んでいってください^^ 

siorin

2010/8/5 12:59:4 [99]

面白いです^^
「ステラス・キルクルス・・・・・」
って「エンジェルハント」の呪文ですか? 

イサ

2010/8/4 17:47:4 [130]

第18話
先「堀河!早く席に着け。」
崇「おわ!すんません!ほんまスンマセン!」
 崇は、急いで着席した。
崇(昨日のことで寝坊したわぁ〜・・・圭也達、遅刻せーへんかなぁ)
 そんなことを考えているうちに、何かが配られた。
崇「なんやコレ・・・」
 回答用紙・問題用紙。
崇(あかん!今日実力考査の日やん!勉強してへん!)

―その日の夜。
陸『・・・ということなんだが。』
圭「別によくね?」
陸『いや、テスト日くらい登校してこい。』
圭「いや〜。起きたら午後の3時で〜。」
陸『一言で言うとアホだな、お前は。』
圭「まあ、明後日行くよ。結果、楽しみにしてっから。」
陸『期待するな。』
圭「ほんじゃあな!」
 電話を切る。ベッドに寝そべる。
・・・昨夜のは、現実だったのか。幻覚だったのか・・・。
―現実だとすれば、奴は何者だったのか。
―幻覚とすれば、何故全員が同じモノを見たのか。 

イサ

2010/8/3 14:40:21 [4]

第17話
 ―女子トイレ。
圭「ここは、梨子の番だ。」
梨「何それ。」
圭「俺が入ると、一応犯罪だからな。」
崇「なあ、どうしたん?」
圭「見てれば分かる。」
 梨子が、一歩前に出る。
梨「鬼さん、残念だけど、あたしのターン!」
 トイレから、翼が出てきた。
翼「あら?皆さんお揃いでどうなさいました?」
梨「そうね。終わらせに来たの。」
翼「・・・。」
梨「分かった?」
翼「・・・黙れ。」
 翼が俯く。
梨「そろそろ出てきたら?」
 翼が、青白い光に包まれる。
崇「翼ちゃ・・・?」
 翼が唸る。赤い目、光る牙。
梨「さあ、鬼さん。もう寝る時間よ。」
 翼だったモノは、今となってはもう「鬼」だ。
鬼「ココハワタシノセカイダ!オマエラナンカニジャマサレタクナイ!」
梨「困る。駄目よ、そんな我侭じゃ。」
 梨子が圭也にホースを投げつけた。崇が蛇口に繋いだ。
梨「突撃!!」
 崇が勢い良く蛇口を捻る。水が鬼の顔面に掛かる。
梨「さようなら。」
 梨子は、鬼の腹を何度も刺した。赤い水が流れる。鬼が倒れる。鬼は、白目になっていた。
梨「もういいんじゃない?」
崇「せやな。」
 崇が蛇口を止める。
圭「片付けは、セン公に任せようぜ。」
 梨子が、一番奥のトイレをノックする。
梨「出てきなさい。もう、いないわ。」
 扉が開く。
梨「久しぶり。」
 そこにいたのは、翼だった。
翼「あ、ありがとうございます。」
梨「もう、誰も翼ちゃんをいじめないから。」
 ・・・どうやら、体育館で、崇と翼が鬼から逃れた後、翼だけ鬼に捕まり、鬼は翼に化けて翼をいじめ、翼は女子トイレに隠れていたのだという。
梨「こんな世界、もう、終わらせましょう。」
 梨子が手を出す。圭也、崇も梨子の手に手を重ねる。
梨「明日を始めましょう。」
 翼は、少し驚いてから、にっこりと笑った。
翼「明日へ―。」
 翼が手を重ねる。その瞬間、光が、圭也達を包んだ。 

イサ

2010/8/3 14:11:15 [275]

第16話
 梨子が、うつ伏せの鬼に近づく。
梨「さて、こいつは完全には死んでない。」
 梨子は、包丁で鬼の背中を突く。赤い血が飛び散る。
梨「これで、鬼の処分は終わったんだけど・・・。」
圭「まだ仲間がいる、と言いたいんだな?」
梨「そう。仕方ないけど、消さないとね。」
 梨子が体育館を出る。
圭「でも、突然殺したら、あいつ、ショック受けるぞ。」
梨「大丈夫。偽者だもの。構わないわ。」
 梨子と圭也は、足を止める。−保健室。
崇「おお、お前らか。なんや、鬼は?」
 梨子が、保健室のシーツやベッド下を漁る。
圭「鬼は、まだ1匹いるんだ。」
崇「さっきのとは、別の・・・?」
圭「ああ。しかも、俺らを騙し・・・」
梨「翼ちゃんは?」
崇「ああ、トイレ行ったで。」
梨「圭也!」
圭「分かってる。崇、付いて来てくれ。」
崇「・・・ああ。」
 三人は、保健室を飛び出した。 

イサ

2010/8/1 12:41:41 [958]

第15話
 体育館はしんとしていた。
梨「いつ来るか分からないかも。」
翼「来たら合図します。」
 その時、崇の足元に何かが当たった。
崇「何や?」
圭「ドッジボールだ。どうやら、鬼が来たようだな。」
 崇は、ボールを拾い上げて後ろを振り向いた。鬼がこちらを見ていた。
崇「鬼さん、俺とドッジボールしてほしいんか?」
 鬼がだんだん近づいてくる。
崇「俺に当てられたいんか。」
 鬼目掛けてボールを投げる。しかし、鬼は素手でボールを掴んだ。
崇「俺を逝かせたいんか。そうか。」
梨「来るわよ!」
 その瞬間、崇が梨子を見て行った。
崇「鬼は、俺を狙っとる。せやから、下がっててええで。」
梨「けど・・・」
崇「ええから下がれ!!」
 鬼が走って崇に飛びつく。崇は肩を鬼に噛みつかれた。
翼「崇さん!!!」
 崇は鬼に抵抗しない。
圭「殺されるぞ!崇!」
 崇は、こちらを見て、笑った。
崇「大丈夫やで。」
梨「大丈夫なワケ・・・」
 鬼が倒れた。床に血が広がる。
崇「大丈夫って、言ったやろ・・・?」
 崇は、右手にナイフを握っていた。鬼が飛びついた瞬間を狙って、心臓を刺したのだ。
 崇がふらつく。翼が高しを支える。
翼「だ、大丈夫ですか!?」
崇「大丈夫・・・。噛まれただけやから・・っ!」
 崇が右手で押さえている肩から、血が出る。
翼「出血が酷いので、手当てをします!」
梨「お願いね!」
 翼は、崇の腕を肩に掛けて、保健室へ連れていった。 

イサ

2010/8/1 9:12:24 [295]

第14話
 保健室の扉を開ける。
圭「やっぱここにいたのか。」
 椅子に座った崇が振り向く。
崇「ああ。圭也か。お疲れさん!」
圭「お疲れだよ本当に・・・。」
崇「いや〜、俺ら二人じゃ、倒せへんかったわ〜。」
圭「そうだと思った。で、他の鬼は?」
 圭也が、崇の隣に座る。
崇「知らんわ。ほんで、圭也は1体倒せたん?」
圭「倒せたっていうか、両手切り落として、走れなくした。」
崇「ふ〜ん。で、梨子ちゃんは?」
 そういえば、梨子はどこへ行ったんだ?考えていなかった。
圭「知らねぇ。死んだんじゃね?」
 その時、保健室の扉が勢い良く開く。
梨「誰が死んだって?」
圭「梨子!生き返ったのか?」
梨「死んでないわ!1体倒してきたの。」
崇「お疲れさん!」
梨「そういえば、廊下で手足が無い鬼がいたけど・・・」
圭「ああ、俺がやった。」
 梨子が、目を閉じて言った。
梨「もう、来てるわよ。」
 梨子の後ろに、顔と胴体だけの鬼がいた。
圭「足、取れてでも来たかったのか?」
崇「廊下、真っ赤やん!」
 圭也は、鋸を崇に渡す。
梨「殺るわよ!」
 さすがに、3対1では、こちらが勝つに決まっていた。
翼「わ!何してるんですか!!」
 翼が驚いて、バラバラになった鬼を見つめる。
梨「消してたの。もう逝ったわ!」
翼「はあ、集団リンチですか・・・。」
崇「それは言わんといて・・・。」
翼「あの、体育館に1体いました。強いので、一人では倒せなくて・・・。」
梨「手伝うわ。早く倒さないと、明日は無いかもね。」
 4人は、走って体育館へ向かった。 

イサ

2010/8/1 8:54:12 [126]

第13話
 鬼は、電動鋸に囲まれた圭也を睨んだ。圭也が急いで電動鋸の電源を入れる。
圭「鬼さん、こっちだ。」
 鬼が近づく。切り落とした腕から、出血が続いている。
圭「そう、こっちこっち。」
 鬼が電動鋸を見つめる。
圭「ほら、俺はここにいる。」
 鬼が電動鋸を足で退かそうとした瞬間を狙う。
圭「鬼さん、そんなんじゃ駄目だよ。」
 電動鋸を蹴る。鋸の刃は、鬼の足を切った。
圭(切り落としまではいかなかったけど、いいか。)
 圭也は他の電動鋸を蹴り倒して、教室を出た。
圭「鬼さん、走ってみなよ!」
 鬼が、足を踏み出す。鬼がガクリと倒れる。
圭「ほらね、もう走れないの。分かった?」
 圭也は、そのまま保健室へ向かった。 

イサ

2010/8/1 8:41:0 [926]

【コメント】
 応援ありがとうございます!
一日に最低2話は進めるつもりなので、
ぜひ読んでいってくださいね☆
それでは13話を・・・。 

七星

2010/7/31 21:38:54 [774]

おもしろいですw
これからも頑張って下さい♪
応援しています^^ 

イサ

2010/7/31 17:38:10 [126]

第12話
 体育館に着いた。誰もいなかった。
圭「おい、誰かいないのか?」
崇「圭也・・・か・・・?」
 どこかから、崇の苦しそうな声が聞こえる。
圭「崇?どこだ・・・?」
 ステージから、ドタッという音がした。ステージに上がって、崇を探した。しかし、どこにもいない。ふと足元を見た。赤。血痕がついていた。
圭「この血、まさか・・・。」
 その時、何かが擦れるような音がした。
圭「崇・・・!」
 崇が、引きづられていく。圭也はゆっくりと近づく。そこは、アナウンス室だった。
圭「あ・・・あれ?崇・・・?」
 誰もいないのに、マイクが勝手に動く。スピーカーの電源が入る。
『・・・ケイヤ・・・ウシロ・・・イルヨ・・・?』
 心臓の音が、大きく聞こえる。息が荒くなる。鋸と消火器が手から滑り落ちる。
圭「罠か・・・。俺を、殺すための、罠か・・・。」
 そうだ。崇はここにいないんだ。奴に騙されたんだ。翼と崇、あの二人がいても、3体の鬼を倒すのは無理だ。二人は逃げたんだ、きっと・・・。
 圭也は、消火器を手に取る。後ろを振り向く。鬼が、1体。鬼を顔を狙って、消火器の栓を抜いた。
圭「鬼さん、こんばんは。」
 目の前が白くなる。急いで鋸を、両手に1本ずつ握る。
圭(俺なら、殺せる。殺るんだ、今。)
 視界がはっきりとしてくる。消化剤は、上手く鬼の目に入ったようだ。その隙に、鬼の背後に回る。両手の鋸を振りかざす。
圭(消えてくれ・・・!)
 鬼の両腕が、落ちる。鬼が叫ぶ。
圭「おっと!怒らせちゃったかな?」
 鬼が追ってくる。血が飛び散る。圭也は、急いで木工室へ向かって走る。木工室に入り、自分の周りを電動鋸で囲んだ。
 鬼が、木工室に入ってくる。圭也は、急いでしゃがんだ。 

イサ

2010/7/31 17:4:48 [578]

第11話
 廊下に足音が響く。
圭「なあ〜、何を持っていけばいいんだ?」
 梨子は、早歩きで家庭科室に入っていく。
圭「なあ。」
 梨子が、包丁を5本手に取る。タオルに包みながら、言った。
梨「戦えそうなモノ持ってけば?」
圭「・・・そうかい。」
 圭也は廊下から出て、辺りを見渡した。
圭(戦えそうなモノ・・・)
 目の前に消火器が置いてあった。
圭「消火器でも持っていくか。」
 圭也は消火器を抱えて、木工室へ向かった。木工室に置いてあるダンボールを次々と開けていく。
圭「あー、あったあった。2本でいいか。」
 新品の鋸(のこぎり)。それを握って、体育館へ戻ろうとした時、準備室から物音がした。恐る恐る準備室に近づく。その瞬間、扉が勢い良く開いた。
圭「なっ・・・!」
 緑色をした蛾が、たくさん出てきた。部屋中が蛾であふれた。蛾を手で掃いながら、準備室へ入る。
圭(殺虫剤、殺虫剤・・・。)
 手を伸ばして、殺虫剤を探す。スプレー缶に触れた。
圭(殺虫剤か・・・これ・・・。)
 スプレーを蛾に向けてかける。蛾は次々と床に落ちていく。蛾は多少減った。急いで木工室から出た。 

yuuri

2010/7/31 9:58:56 [178]

がんばれ〜! 

イサ

2010/7/30 20:41:50 [339]

第10話
 しばらく時計を見ていた。崇以外の人の時計は、1秒も動かない。
圭「・・・飽きる。飽きるぞこれ。」
梨「何よ、謎は解けたの?」
圭「解けないから飽きるっつってんだ。」
 圭也は、周りを見渡した。
圭「あ!翼さん。あんたの超能力でなんとかなんないの?」
翼「そうしたいものですね、全く・・・。時を操るなんて、下手すれば死にますし・・・。」
崇「死んでまうの!?てか超能力者だったん!?」
圭「そういうことだ。」
 その時、扉が激しく揺れた。
梨「追いつかれたってことかしら?」
崇「え!?何何!?ええ!?」
圭「崇、生き残れよ。」
翼「鬼が来ます!準備を!」
 扉は壊された。そこには、鬼が3体いた。
圭「ちょ・・・増えてるぞ!」
梨「倒すしかないわね・・・。」
翼「全く・・・。鬼が3体いては困りますね。」
圭「崇、分かったか?」
崇「体力には自身があるで。任せときぃ!」
 鬼はどんどん近づいてくる。
梨「鬼の処分は、翼ちゃんと崇君に頼むわ!私は、家庭科室から包丁を持ってくる。圭也は、私についてきなさい!じゃ、生きて会うわよ!」
翼「お任せを!」
崇「フルボッコやで!」
圭「鬼なんかに殺られるなよ!」
梨「じゃあ、グッドラック!」
 月夜に照らされながら、皆は散った。 

イサ

2010/7/30 20:7:56 [235]

第9話
圭「そういや、お前誰だ?」
梨「名も名乗らない奴と話していた・・・。」
 三人は、男子生徒を見つめた。
男「いや、『お前』とか『奴』とか言うとるけど、俺はお前らの先輩なんやで!」
 男子生徒は、手を腰に当てて言った。
男「俺は3年の堀河崇。大阪出身や!」
圭「崇、お前はなぜ上から来た?」
崇「いや、なんで呼び捨てになるん!?」
翼「崇先輩、上から落ちてきた訳を・・・。」
崇「お前ら、この子を見習えや!ええ子やな〜って、えーと、訳・・・。あ、せや。俺、さっきまでは自分の部屋にいたんや。それで、えーと。時計見たら学校に移動してもうた〜。」
梨「・・・。」
崇「信じてくれへんの!?」
翼「あの・・・私も、同じです。時計を見ると、ここへ来てしまって、あの鬼に追われるんです・・・。」
圭「時計、か。俺たちが学校へ入ったのは0時4分だったよな。」
 梨子がこちらを見て驚いた。
梨「は?何言ってんの?11時56分よ?」
圭「え・・・だってよ・・・。俺の時計はそうなって・・・。」
梨「全員時計だしなさい。」
 皆、時計や携帯電話を出した。しかし、時間は違った。
崇「え?何で違っとるん?おかしいやん!」
梨「圭也、あんたの時計、おかしい。時間が止まってる。」
 圭也の時間は、『12;04』のままだった。
圭「嘘だろ・・・。お前らはどうなんだよ。」
梨「あたしは『3:32』よ。」
翼「私は『1:42』分です。」
 崇は、ずっと携帯電話の待ち受け画面を見つめていた。
圭「崇、は・・・?」
崇「え?あ、こ・・・壊れとるようやけど・・・。」
 崇は、待ち受け画面を皆に向けた。画面は、一面真っ黒で、時間は『99:94』となっていた。
圭「待ち受け画面、変な趣味だな〜。真っ黒って・・・。」
崇「いや、元々は空の画像だったんやで!」
梨「あ、95分になった。動いてはいるのね。」
翼「それにしても、『9』だなんて、不吉な数字ですね・・・。」
  

イサ

2010/7/30 17:55:13 [581]

第8話
梨「・・・で、犯人は見つかったの?」
 体育館のステージで、梨子は堂々と腕を組み、ステージ下の圭也を見下ろした。
圭「見つかったが、お前に見下されるのに不満がある。」
梨「あんたは下!当たり前でしょ!・・・で、犯人は?」
 体育館が静かになる。翼が手を上げた。
翼「わ、私です・・・。」
梨「挙手どうも。手、震えてるわよ。落ち着いて。」
翼「えわ!!」
 翼は手を下げる。勢いよくステージに飛び乗る。
翼「だ、誰か来ます!」
圭「マジかよ!!!」
 体育館のステージから、ドタッと音がした。
?「いててててて・・・」
 梨子が懐中電灯を当てる。ステージに、男子が転がっていた。
圭「誰だ?」
翼「人間です。」
圭「いや、それは分かる。」
 梨子が、男子生徒の背中を蹴る。
梨「おい、おーい。」
男「いてっ、いてて!」
梨「起きなさいよ、床って汚いのよ〜?」
男「お前が蹴っとるから起きれへんわ!」
 体育館中が静かになった。
梨「・・・で、本題に戻るわ。」
男「って、スルーかい!」
 また、静かになった。翼が笑顔で言う。
翼「空気読んでくださいよ。」
男「いや!お前らが読めや!」
圭(このメンバーで、大丈夫なのか・・・?) 

イサ

2010/7/30 17:39:22 [668]

【訂正】
 6話が重なりました。正しくは7話でした。
次回は第8話となります。
【コメント】
 yuuri様、ありがとうございます!頑張りますね! 

イサ

2010/7/30 17:37:21 [305]

第6話
梨「なによ。圭也じゃないの。」
 梨子が、呆れ顔で話を続ける。
梨「しかも、可愛い女の子連れちゃって・・・。」
翼「神威翼と申します。」
 梨子は、翼を見た。
梨「ふうん。まあ、いいんじゃない?あたしは遠藤梨子。」
 梨子が翼の前に立って言った。
梨「翼ちゃん、あなた可愛いけど、圭也はあたしのモノだから。」
翼「承知しております。」
圭(いやいやいや、承知するなよー!)
圭「あー、すまんが、人のことを『モノ』と言ったな?」
梨「だってあたしの『モノ』だもの。なにか可笑しい?」
 呆れる。こいつと話していると脳が腐りそうだ。
翼「あ、来ます。」
 鬼の足音が聞こえる。
梨「来るって、何が?」
圭「黙ってろ。見れば分かるさ。」
 鬼は、教室の前で立ち止まった。扉を壊す。
梨「ちょ・・・アレ、何!?」
圭「見ての通り、鬼だ。」
 鬼は教室に入って、近づいてきた。翼が一歩前に出る。
翼「困るんですよ。私の仲間を傷つけるのは。」
 鬼が、不気味に笑った。牙が光る。
翼「散!」
 翼の分身が、教室のあちこちに現れた。本物の翼に手を引かれる。
翼「ここは、分身が相手をします。私達は逃げますよ!」
 教室を飛び出す。鬼の悲鳴が廊下中に響き渡った。 

yuuri

2010/7/30 17:34:16 [684]

おもしろいです! 

イサ

2010/7/30 16:53:2 [698]

第6話
翼「ご理解していただけましたか?」
圭「見れば分かるよ、それくらい。」
 理科室の扉が壊される音がした。翼が真剣な顔になる。
翼「時間がありません!覚悟しておいてください!」
 圭也は、手元にあった試験管を数本握る。
翼「理科室内にまだいるようですね・・・。」
圭「どうすりゃいい?」
翼「逃げ場はありません。」
圭「っつーことは・・・。」
 準備室の扉がガタガタと揺れる。
翼「ステラス・キルワルス・ルーメン・スタビレム!」
 一瞬、翼から光が放たれた。
翼「結界を張りましたが、壊されるのも時間の問題です。」
 揺れ続ける扉を、二人は睨む。扉がひび割れていく。
圭「駄目だな、こりゃ・・・。」
 扉が粉々に砕け散る。鬼が準備室に足を踏み入れた。
圭(死ぬだろ絶対!)
 鬼が、震えている。結界はまだ壊れていなかった。
翼「結界が壊れたら、その試験管を鬼の目に当てて下さい。」
圭「・・・ラジャー・・・」
翼「利口。」
 一瞬光ったかと思うと、鬼はもう入ってきていた。
翼「圭也さん、早く!」
圭「はいよ!!!!」
 試験管を投げた。目の位置に行く。しかし、鬼は試験管を握り潰した。
翼「落!」
 鬼の立っていた所の床が、崩れていく。鬼はそのまま落ちていく。
翼「今のうち、ここから出ましょう!」
 理科室を飛び出て、3階へ向かう。
圭「なあ、最初から『落』とかなんとか使えば良かったんじゃないのか?」
翼「そうしたいものです。魔力も体力と同じで減っていくのです。また、一度に威力の強い魔術を使うと、身が滅びます。」
圭「ああ、そういうことか。」
 二人は3年2組の教室に入った。その瞬間、光が当たる。
 

イサ

2010/7/30 16:26:14 [444]

第5話
 扉が壊された。赤い鬼が立っていた。
圭「マジかよ・・・。」
女「厄介ですね・・・。」
 女子生徒は、目を閉じて何か呟いた。机や椅子が、宙に浮く。
女「投!」
 机や椅子は、鬼目掛けて飛んだ。
女「逃げますよ!」
 女子生徒が圭也の手を握って、走り出した。鬼が追いかけてきた。
圭「もう追いつかれるぞ!」
女「承知!」
 素早く階段を駆け上がる。女子生徒は右手を横に振る。すると、すぐ先の理科室の扉が開いた。理科室へ飛び込む。
女「閉!」
 扉が閉まった。急いで準備室へ隠れる。鍵を掛ける。女子生徒は、ため息をついて言った。
女「申し遅れました。私は、神威翼と申します。」
圭「・・・俺は、笹森圭也だ・・・。」
翼「疲れましたか?」
圭「ったりめーだろーが・・・。そいいや、さっきのって・・・。」
 翼は、圭也の目の前に立った。
翼「私は、ただの人間ではありません。」 
圭(いや、見ればわかるっつーの・・・。)
  

イサ

2010/7/30 16:7:18 [414]

第4話
圭(もしかして、犯人・・・?)
 階段を駆け上がる。人影は、2階廊下を歩いていた。圭也は、足音を立てないように追った。人影は、2年1組の教室に入っていった。
 教室の前で、立ち止まる。唾を飲み込み、扉の取っ手に触れた。静かに入る。そっと、電気をつけようとした。その時、何かが圭也に当たった。
女「つ、ついて来ないで!」
 圭也は、電気をつけた。女子生徒がいた。
女「あ、良かった・・・。人間の方でしたか・・・。」
 女子生徒は、ゆっくりと圭也に近づいた。
圭「なんでここにいるんだ?」
 女子生徒は、にっこりと笑って言った。
女「それは、あなたにも言えます。」
圭「あー、俺はただ窓割り犯人を捜しているんだ。」
 女子生徒が、下を向いて呟いた。
女「それ、私がやりました。」
圭「なんでだ?」
 女子生徒は、圭也に顔を近づけた。
女「化物に追われているんです。その化物にガラスを投げて・・・。」
圭「それ、マジか・・・?」
女「嘘など吐く暇はないのです!信じて・・・。」
 変な呻き声が聞こえた。廊下から足音がする。
女「来ました。しゃがんで静かにしてください。」
 扉が叩かれた。緊張感が走った。 

イサ

2010/7/29 18:55:3 [34]

第3話
梨「遅い!1分遅い!」
 梨子は校門の前で、腰に手を当てて待っていた。
圭「1分ぐらい大目に見ろよ・・・。」
梨「眠い目しないでシャキッとしなさい!シャキッと!」
 夜中だというのに梨子は元気だ。
圭「睡眠時間は取ったのか?」
梨「もちろんよ!あんた、寝てないの?」
圭「ああ。宿題をしていた。」
梨「宿題なんかやらなくていいじゃない!しかも、あんたどうせまた連続欠席するんでしょ?」
圭「ああ、学校は行きたくないからな。」
 月が、雲に隠された。周りが暗くなる。
梨「さ、早く行くわよ!」
圭「・・・はいはい。」
 梨子は早歩きで昇降口へ向かった。
圭「おい、鍵がかかっているんじゃないのか?」
梨「ふん!馬鹿ね!そんなこと知ってたわ。西側の窓の鍵を開けておいたの。さっさと行くわよ!」
 梨子は、西側に向かって歩いた。窓の前でピタリと止まる。窓ガラスに手を伸ばした。その時、上から物音がした。
梨「走れ!」
 圭也は、梨子が喋った瞬間に後ろへ走った。何かが落ちた。
梨「ったく・・・先客がいたみたいね。さっさと行くわよ!」
圭「ちょっと待ってく・・・」
 圭也の足元で、バリっと音がした。よく見ると、ガラスだった。
圭(上からこんなモン落とすなんて、殺す気か!!)
 梨子が、窓から校舎へ入る。圭也も中へ入った。
梨「こんなに暗いのに、上から私たちを狙えたってことは、結構前にここに来ていたから、目が慣れているのよね〜。ってことは?」
圭「もう、既に何か犯した可能性があるってことか。」
 梨子は、窓を閉めながら言った。
梨「そう。とすると、もうここに用はないから、犯人は逃げる。」
圭「急いで捕まえろ、と言いたいんだな?」
梨「正解!じゃ、2時にここで待ち合わせ!じゃあね!」
 梨子は、階段を上っていった。時計を見ると、『12:04』と記されていた。圭也は、東階段へ向かった。すると、階段を上っていく人影が見えた。

  

イサ

2010/7/29 12:14:1 [755]

第2話
「・・・うざい!」
 皆が、いっせいに振り向いた。ああ、あいつか。
梨「うざいって言ってんだろ。」
先「なんだその口の聞き方は!」
梨「そういうから『うざい』って言ってんだろ!あたしはやってない。」
先「お前しか考えられないだろ!いつも問題起こすのはお前だからな!」
梨「だから、今は前とは違うだろ!」
 梨子は、机を蹴り飛ばすと、教室を出て行った。
先「全く・・・昨日、窓ガラスの件について話したが、誰一人自首しない!」
 先生は呆れ顔で授業を始めた。
圭(窓ガラスも新品にしたし、もういいじゃん。)
―休み時間、圭也は梨子を探しに行った。屋上に一人立っていた。
圭「おお、いたいた。聞きたいことがある。」
梨「・・・窓ガラス、か?」
圭「ビンゴ。」
 ゆっくりと梨子に近づく。梨子は、フェンスを握った。
梨「お前も、あたしが犯人だと思ってんだろ。」
圭「いや、全く思っちゃいないさ。」
 梨子は、圭也を睨み付けた。
梨「じゃ、言いたいことってなんだ?」
圭「協力してほしい。『犯人探し』をな。」
 風が、梨子の髪を撫でた。いつも肩に触れていたバサバサの髪が、綺麗に靡いていた。
梨「もちろんだ。セン公に『こいつが犯人だ』って突き出してやりたい。」
圭「その意気だ。」
 こうして、夜中に学校に来ることにした。 

イサ

2010/7/29 11:50:50 [564]

第1話
 教室中が静かだ。
先「正直に、言いに来なさい!」
 先生は、それだけ言うと教室から出て行った。皆がいっせいに喋る。
圭「・・・ったくよ、あのおっさん、そんなに怒らなくてもよくね?」
陸「竹内先生だ。今後『おっさん』と呼ぶな。それに、怒るのは当然だ。」
圭「何も、『犯人は俺たちのクラスにいる!』なんて決め付けることねーじゃん。」
 陸斗は黙ると、本を読み始めた。
―今朝、学校中の窓ガラスが割れていた。誰の仕業かは、分からない。その事について、先生は怒っているのだ。
 陸斗は、ふと顔を上げて言った。
陸「圭也、お前が犯人なんじゃないか?」
圭「は?そんな面倒な事しねぇよ。」
陸「お前が怪しい。なぜ今日に限って登校した?」
圭「偶然だよ。久々に学校来たら、窓無しだぜ?全くよぉ・・・。」
 陸斗は眼鏡を上げて、圭也をしばらく見ると、また読書に戻った。
圭「疑ってんのか?」
陸「いや。ただ聞いただけだ。」
 窓ガラスのない窓から、風が微かに入ってきた。 

 
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